7年でシェフパティシエに。杉窪流思考術。
校長先生の授業は年に一度ほど
最初のお店では信用を得るために最低3年以上は勤めるという目標がありました。働いていると情報も入るようになり、次の修業先は自分で本当においしい、働きたいと思ったところで働くと決めていました。
この、おいしい、ということなんですが、何をもっておいしいというのか店ごとに違います。それを学びとります。もちろん面接では言わないけれど、どんなにいい店でも辞める時期を自分で決めて入るんです。すると何が起こるかというと、毎日が無駄にできなくなるんです。
7年のうち前半の4年、20歳まではぼくは駄目人間で、遊んでいたようなものだったのですが、後半の3年、うち1年はパン屋さんにいたので、パティシエとしては実質2年、朝から晩まで働いて、帰宅後1時間は本で勉強する毎日でした。そして毎週必ず食べ歩きを自分に課していました。
未来を予測して準備する、という考え方を説明する杉窪さん
杉窪さんは食べ歩きも日々の本での勉強も、20歳から20年間続けているといいます。
「わたしは、新しい発想をしたりするのが苦手なんですが、杉窪さんはどんなところから発想するんですか?」という学生からの質問にはこんなふうに答えます。
インプットしたところからです。量が問題ですね。発想はアウトプットだから、それができないのは勉強不足ということ。給料は全部食べ歩きと料理書につぎ込みました。ここの壁が全部埋まるくらい本があります。月に何十万も食べて勉強しています。それくらいインプットすると、発想は出てきます。
驚きあり、笑いありの授業
未来を予測するんです。20年後、自分がお店を出すときに、この世の中はどうなっているんだろうと予測する。そうして20年かけて準備をするという時間のかけかたをする。じゃどうやって予測するのといったら、昔からの時代の変遷を勉強するんです。そうすれば未来が予測できる。
すべて計画を立てて逆算します。10年後にこうなる、だったら5年後にはこう、1年後にはこうなっていないといけない。ということはこの1ヶ月でやることはこれである。ということはこの1週間でこれができていないといけない。今日はこれをしなくてはいけない、ということ20歳からしています。