自律的なキャリアデザインが主流に
これからは自分でキャリアをデザインする自律性が求められます
日本において、近代以前の社会(たとえば世襲など)において個人のキャリア選択の幅は限定的なものでした。また、1960年代~昭和末のバブル期までは、終身雇用制度のもと、会社側が社内人事という形で定年まで責任を持って個人のキャリア形成を主導する時代が長く続きました。
しかし、バブル崩壊後はその終身雇用制度が崩壊して、派遣社員・契約社員、人材のアウトソーシングなど雇用形態は多様化し、技術革新やグローバル化によって社会全体の産業構造や就業構造も大きな変革を余儀なくされました。
それに伴い、自分のキャリアに関する選択を世襲制度や社内人事制度に委ねるのではなく、自身で自律的に設計し実行する「キャリアデザイン」という能力が個々人に求められるようになったのです。
つまり、自己責任で自己選択するという前提のキャリア開発が今の時代の主流です。そのためには世の中にはどんな仕事が存在しているのかを子供時代から大掴みで理解していくことが有効でしょう。一昔前、2003年のベストセラーとなった『13歳のハローワーク』では子供向けにわかりやすく様々な職業が紹介されました。
紆余曲折を経て、“これだ!”という仕事を見出し、後は諦めずどこまで深く掘れるかどうかです。天職が見つかれば幸せなこと。自分に合っている好きなことをやって、収入を得ることができるということです。
"サラリーマンの時代"は人事ローテーションにより色々な仕事を経験して昇進していくというゼネラリスト志向だったものが、今やビジネスプロフェッショナルの時代であり、専門分野における卓越性があるかどうかが問われます。つまり、現在のキャリア形成においては、スペシャリスト、エキスパートであることが重要と言えるでしょう。