東京レインボープライド「パレード&フェスタ」
4月25日(土)、26日(日)の2日間、代々木公園イベント広場で東京レインボープライド2015「パレード&フェスタ」が開催されました。青空の下、5万人を超える人出で盛り上がりを見せ、祝福感あふれる素晴らしい2daysとなりました。先月の記事でお伝えしたように、渋谷区の条例が認められたことでお祭りムードも高まり(桑原区長もスピーチしたり、同性結婚式に立ち会っていっしょにレインボーの風船を飛ばしたりしました)、のべ55000人という過去最高の人出を記録しました。詳細にお伝えしようとすると、とてもここに書ききれないくらいのボリュームになってしまうので、ゴトウが運営する「g-lad xx(グラァド)」のパレード・レポート(こちらとこちら)を読んでいただくとして、今回のパレードで最も印象に残ったポイントをいくつか、ダイジェストでご紹介したいと思います。
まず、4月からこのサイトのガイドに就任した林さんが代表取締役をつとめるLetibeeが、パレードのブースでレスリー・キーさんにカップルのウエディングPhotoを撮ってもらい、次々にTwitterにアップしていました。本当に幸せそうで素敵な写真ばかりで、「ああ、すべては幸せのため、なんだなあ」と思い、涙がにじんできました。
パレードのブースといえば、ゴトウの周りで話題になっていたのがラーメン屋の「野方ホープ」です。オーナーさんがゲイの方で、以前、お母様とパレードを歩いたことがあるそうで、店員さんがブースを出そう!と言ってくれたというエピソードがTwitterで話題になっていました(オーナーさんにお声かけしたら、『バディ』の方?と憶えててくださって、うれしかったです)。それもあって、野方ホープに行こう!という人、とても多かったようです。ゴトうは2日ともラーメンを食べましたが、ちょうど食べやすいサイズで、美味しかったです。
ステージではまず、「SECRET GUYZ」のライブに衝撃を受けました。スターダストプロモーション所属のFTMユニット(要はみなさん、トランスジェンダーの方)なのですが、マイノリティ感をみじんも感じさせない、一点の曇りもなくさわやかな完全無敵のイケメンアイドルっぷりで、サイリウムを持った女子ファンも多数! アイドルとしても、セクシュアルマイノリティとしても新しい、素晴らしい方たちだと思いました。
それから、多くの人がそれ目当てで訪れていたと思われる、清水ミチコさんのライブ。飛ぶ鳥を落とす勢いのブルボンヌさんに紹介され、盛大な拍手でお迎えされたミッさん(ミッちゃんという年でもないのでこう呼んでほしいそうです)、ブルボンヌさんとのトークも相性バツグンの楽しさで、次々にモノマネを披露し、会場の爆笑を誘っていました。ピアノ弾き語りもサービスに次ぐサービスで、「みんな大先輩よ拍手して!」と言って美輪さんの「ヨイトマケ」を歌ったり、本当にノリノリで最高に楽しいライブでした。
その後の「ドリームガールズショー(ドラァグクイーンショー)」も掛け値なしに素晴らしかったです。ミッツ・マングローブさん、レイチェルさん、シモーヌ深雪さん、バビ江ノビッチさんwithリル・グランビッチさん&ブイアベースさん、肉乃小路ニクヨさん、ダイアナ・エクストラバガンザさんという当代随一のクイーンたちの夢の競演。「生き様」とか「心意気」とか「PRIDE」っていう言葉が浮かんでくるけど、でもうまく言葉にならない、言いようのない感動が襲ってきて…ハラハラと泣けてしまいました。本当に素晴らしい時間をありがとう。拍手!
2日目はパレードが行われるということで、1日目よりもさらに多くの人たちが代々木公園に集まってきました。出発前に今年もフォトセッションが行われ、たくさんの報道陣がカメラを構えるなか、東京レインボープライドの代表の方たちのほか、民主党の細野豪志幹事長(LGBT議連世話役)や尾辻かな子前参議院議員が笑顔でレインボーの横断幕を掲げました(写真右上)。参加登録が満員で締め切られるほどだったパレードは、みなさん思い思いの格好やプラカード(「渋谷区ありがとう」とか)で歩いていて、本当に晴れやかな笑顔がこぼれ、おかえりなさいの拍手に包まれて帰ってくるという、素晴らしく祝福感あふれるパレードでした。
パレード後のステージでは、前々日に結婚式を挙げた英国大使館のティムさん&ライアンさんが法被を着て和太鼓を叩き、ティモシー・ヒッチンズ大使がスピーチし(その後も各国の大使館の方が次々にスピーチ)、世田谷区長の保坂さん、尾辻さん、乙武さんらも登壇しました。そして、OUT IN JAPANプロジェクトにオリジナル楽曲”WE ARE ONE”を提供してくれたミュージシャンのKi-Yoさんが登場し、「せっかく今日、素晴らしいこんな機会をいただいたので、一度もはっきり言ったことないんですが、言いたいと思います。僕もLGBTのひとりです」とカミングアウトし、ビックリすると同時に感動。会場からも大きな拍手が沸き起こりました。Ki-Yoさんはご両親もステージに上げて、お二人ともすごく応援してる感じが伝わってきて、思わずウルウルきました。今回のステージのハイライトだったなあと思います。
表に立っている方たちをはじめ、目に見えないところで頑張ってきたたくさんの方たちの長年の地道な努力が結実し、このパレードの奇跡へとつながっています。そうした先人たちへの感謝の気持ちとともに(もうパレードに来ることができない方たちへの追悼の気持ちも込めて)、自分もその一助となれたことへの誇りを胸に、あの晴れの日、圧倒的な祝福感のなかで、笑顔でパレードに参加できたこと、仲間たちと楽しい時間を共有できたことを、本当に幸せに思います。また来年(5月開催になるそうです)、あの場所で、たくさんの方たちとお会いできることを、楽しみにしています。主催した東京レインボープライドのみなさん、キャストやボランティアスタッフのみなさん、本当におつかれさまでした。ありがとうございました!