将棋には、対局以外にもいろんな楽しみ方がある。これまでに紹介した、練習にも役立つお楽しみ将棋(はさみ将棋成り駒将棋回り将棋名探偵将棋3列将棋陣組み将棋など)や「飛・角」将棋パズルがそうである。これらは、すべて知力アップや脳トレ、お子さんには知育にも役に立つ。さて、今回は「駒・スライド式パズル」を紹介しよう。ぜひ、チャレンジしていただきたい。

スタートの並べ方


スタート時の並べ方

スタート時の並べ方

図をご覧いただきたい。使用する駒は「王将」1枚、「金将」2枚、「銀将」2枚、「歩」3枚である。それを、右下隅の3X3の9マスに並べる。一番下段に「歩」。2段目に「銀将」、ただし真ん中は何も置かない。そして3段目に「金・王・金」と並べる。これがスタートである。

 

ゴールはこれだ

ゴールはこれだ

ゴールはこれだ

ここから、駒を通常通りに動かしていく。ただし、駒の移動はあくまでも9マスの中だけとする。はみだして動かすことはできない。目指すゴールの形は右図である。もう、おわかりかと思うが、1段目と3段目がそっくり入れ替わるように動かしていくのだ。簡単そうに見えて、これが難しい。とにかく、やってみていただきたい。

 

目標は40手!

はじめに動かせるのは「歩」か「王」

はじめに動かせるのは「歩」か「王」

さて、このパズル、ガイドが主催する子ども将棋教室「将星会」でも、もちろん実施している。子ども達は真剣な表情で知恵をしぼる。目標は40手。これ以内でのゴール到達としているのだ。だが、これが難しい。なかなか40手以内で終了できる子はいないのが現状である。

まず初手はどうしたらいいのか? 最初に動かせる駒は図のように「歩」か「王」のどちらかである。「歩」を2八のマスに上げるのか、はたまた、「王」を2八のマスに下げるのか……。ここから、分かれ道が始まるのである。

さて、あなたはどちらを選ぶだろうか? とにもかくにも、試していただきたい。もし、あなたが初チャレンジで40手以内でゴールできたならば、よほどの知力の持ち主、またはパズル通であると思われる。もちろん、ガイドは到達できなかった一人である。ルールは簡単。しかし、なかなか解けないという最高にハマル「パズル」である。では、次に将星会教室で40手以内に成功したA君の方法を紹介していこう。

A君が到達した解決手順

A君の解決方法

A君の解決方法

A君は小学3年生の男の子である。将棋が大好きで、すでに棋力は3級の腕前。湯の町別府市でナンバーワン小学生に輝いたこともある実力派である。

そのA君、このパズルを前に、ああでもない、こうでもないと考え始めた。だが、なかなか40手での到達に成功しない。くやしがるA君。だが、彼はくやしがるだけでは終わらない。自宅でもチャレンジし続け、とうとう、成し遂げたのである。その手順を棋譜にしてみた。どうぞ、ご覧いただきたい。

棋譜の読み方は以前にガイドしているので参考にしていただきたい(過去記事)。A君はまず「2八歩」と「歩」を上げることを選択した。 

(1)  ▲2八歩     (2)▲2九銀左   (3)▲3八玉
(4)  ▲2七歩     (5)▲2八銀      (6)▲2九玉
(7)  ▲3八金     (8)▲3七銀      (9)▲2八金
(10)▲3八歩    (11)▲3九玉    (12)▲2九金
(13)▲2八銀    (14)▲3七歩    (15)▲3八金
(16)▲2九銀    (17)▲1八金    (18)▲1七銀
(19)▲2八金左 (20)▲3八銀    (21)▲2九金
(22)▲2八金寄 (23)▲1八歩    (24)▲1九金
(25)▲2九金引 (26)▲2八銀    (27)▲1七歩
(28)▲1八金直 (29)▲1九銀    (30)▲2八金寄
(31)▲1八銀    (32)▲1九金    (33)▲2九金引
(34)▲2八玉    (35)▲3九金    (36)▲2九玉

以上36手での完成である。目標を4手も短縮する素晴らしい解決手順である。他の子ども達から歓声があがったことは言うまでもない。


二人でもできる「駒・スライドパズル」

二人でもできる

二人でもできる

実はこのパズル、二人で同時に行うことも可能だ。図をご覧いただきたい。このように互いに右下隅に配置すれば同時に楽しめる。仲間で、家族で、カップルで、一手ずつ交代に動かして、速さを競うのも一興だ。

さあ、皆さん、ぜひ挑戦していただきたい。すでに述べたように最初の目標は40手。また、それをクリアできれば、次はS君の36手を目指していただきたい。この「駒・スライド式パズル」で脳をフル稼働し、知力アップ、さらに知育でも役立てていただけたら幸いである。

レッツエンジョイ・SHOGI!


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