まずは「証」を知ろう!
漢方ではそのときの体調や体質を「証(しょう)」とよび、証にあった漢方薬をドクターや漢方の専門家が処方します。証とはカラダが寒・熱のどちらに傾いているかとか、カラダをめぐる気血水のなにが不足しているのかとか、邪気があるのかないのかなどを総合的にみることで、その人のカラダのウイークポイントや治療法をみつける大きな手掛かりとなるのです。今回は自分が「実証」と「虚証」のどちらに近いか2つにまず分け、その中から自分の症状に合う漢方を探してみてください。
実証チェック
元気な声で目もキラキラ。体力があって病気になりにくい
- 体力があるほうだ
- カゼを引くとすぐ熱が出る(高熱になる)
- 声が大きい
- 便秘気味である
- 肌に弾力がある
また実証の人は、体力や抵抗力があるのでなかなか病気になることも少ないのですが、いったんカゼを引くと短期間で熱ががーっと上がるのも特ちょうのひとつ。日ごろから体力がある分、反応性も高いのです。
実証タイプのストレス漢方
ここで実証に多く処方される漢方を、春に起こりやすい症状別で紹介します。・カラダが熱っぽく、ストレスでカッカしやすい。のぼせや便秘がある
カラダに余分な熱がこもり、気や血の流れが悪くなったり、イライラして精神不安になる人が多いこのタイプは、「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」や「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」などの漢方が有名です。膨満感や腹痛の症状が顕著なら「大柴胡湯(だいさいことう)」もオススメです。
・物事に過敏で驚きやすい。不眠や動悸がある
精神不安やヒステリーによく処方されるのが「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」。比較的体力あって、胸脇が張りやすいタイプに多いです。小児の夜泣きやてんかんなどにも適用されるケースがありますが、虚弱体質の場合は次のページの虚証の漢方もチェックしてみましょう。
・不安感があり、のどに異物感がある
のどに梅が詰まったような違和感があるのが特ちょう的で、心配事などで気分がふさぎ込んだり、眠れなくなったり、げっぷや吐き気などの消化器系にトラブルが多いようです。この場合「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」がベスト。体内をめぐる気の流れを正常にし消化機能を整え、梅核気を解消してくれる漢方です。
これらの症状にピンとこなかったり、実証ではなく虚証のチェックが気になる方は、次のページへ