「漢方薬で太る」は本当か

漢方薬で太るのか

「漢方薬で太る」……実際にそんなことはあるのでしょうか?

先日、「漢方薬で太ることはありますか?」という質問を受けました。漢方で健康的に痩せるお手伝いをすることはありますが、太ってしまうというのは、どういうことでしょうか。今回は「漢方薬で太る」の真偽に迫ってみましょう!
 

「漢方で太った」と感じる原因は、気・血・水の不足?

漢方の目指すところは、カラダのバランスを保ち、中庸にすることとされます。たとえば人を球に置き換えてみると、下に突き出たところがあれば真ん中に押し上げ、膨張していたら引き締め、足りないところは補いながら、形のよい理想的な球に近づけるのです。

さて、今回ポイントとなるのが最後の「足りないところを補う」パターン。漢方ではこのようなタイプを「虚証」といい、大きく分けて3つに分類します。

■気虚タイプ(ききょ)
生命エネルギーが不足しているタイプ。カラダの機能が低下していたり、免疫力が落ちて風邪をひきやすかったり、消化吸収機能がよくない、食欲がない、疲れやすいなどの症状がでる。

■血虚タイプ(けっきょ)
血液などカラダを滋養する栄養分が足りないタイプ。肌や髪に潤いがなく、爪が割れやすく、めまいや貧血を起しやすくなる。血液を作るもとである胃腸機能が失調している場合も。

■陰虚タイプ(いんきょ)
汗、涙、胃液、リンパ液など、体内の必要な水分が足りないタイプ。ラジエーターのようにカラダを冷やす水分が少ないため、のぼせやほてり、汗をかき易い、痩せなどの症状が出る。

これらのタイプには、症状別に必要なものを補う漢方を処方します。もともと不足していたものを補い健康な状態に整えていくのですが、その際に、人によっては「以前より太ってしまった」と錯覚する場合があるようです。次に、具体的な「太る」例をあげてみましょう。
 

「漢方薬で太る」と感じやすい3つの体質・太ると感じる理由

先ほど気虚、血虚、陰虚の3つの体質をあげてみましたが、それぞれに考えられる「太るパターン」をご紹介しましょう。

■気虚タイプ
  • 胃腸機能が促進され、食欲が出る
  • 疲れにくくなり、運動量や筋肉量が増える

■血虚タイプ
  • 胃腸の調子がよくなり、栄養分の吸収がよくなる
  • 肌ツヤがよくなり、ふくよかな顔つきに見られる

■陰虚タイプ
  • 体力の消耗を防げ、余計なカロリーを消費しなくなる
  • 夜ぐっすりと眠れ、日中のだるさが取れる

もともと機能や栄養が不足していたタイプなので、「太った」というより「本来の姿に戻った」と考えられるのが虚のパターンなのです。もちろん、虚のタイプの人が漢方を飲んでみな太るとか、「漢方薬を飲むだけで太る」といったことはありえませんのでご安心を!

ただ、胃腸機能が回復すると、過食ぎみになるケースも見受けられます。この場合はもともとカラダに必要なミネラルが不足している場合が多いようです。ミネラル補給を心がけると、食欲は満たされるでしょう。

人のカラダは複雑で、足りない部分もあれば過剰なところもあり、この取捨をしながらバランスを取るのが漢方の良さ。なお「理想としては……」というような個人的な好みの問題は別の次元ですので、悪しからず……。
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