韓国語/検定試験・スピーチ大会

新・韓国語能力試験TOPIKの攻略法(3ページ目)

韓国政府が推奨する韓国語の検定試験、『韓国語能力試験』。別名TOPIKと呼ばれるこの試験は、2014年に大規模な改編が行われ、試験は『TOPIK1 初級』、『TOPIK2 中上級』の2種類になりました。日本では年に3回行われるこの試験。自身のレベル確認、モチベーションアップ、就職・転職活動のために、是非受けてみようではありませんか!

幡野 泉

執筆者:幡野 泉

韓国語ガイド

TOPIK2(3~6級)について

 
問題の見極めが大切!

問題の見極めが大切!


TOPIK1を受け、その後すぐTOPIK2にチャレンジしてみようとした方は、その問題をご覧になり愕然とされたかもしれません。上級の問題までがカバーされているので、難易度が高くなるだけでなく、その問題量がかなり増えます。したがって、まずは3級か4級を取りたいという方は、問題を取捨選択していくと良いと思います。

TOPIK2は、聞き取り・書き取り・読解の3教科すべてにおいて、やや難易度の低い問題から、難易度が高い問題に移行していく傾向があります。しかし、特に3、4級狙いの方は、溢れるような韓国語の長文を目の前にすると、どれが中級レベルで、どれが上級レベルなのか分からないという方がほとんどだと思いますので、私がTOPIK2の問題を見たうえでのざっくりとしたレベル見極めの目安をご紹介したいと思います。

 

問題別TOPIK攻略法

  • TOPIK2 聞き取り攻略法
まず、聞き取り問題は50問あり、音声は60分間流れます。その後休憩を挟まず、すぐ書き取り問題が始まります。聞き取り・書き取り問題に与えられる時間は110分です。

聞き取り問題の20問目までは一つの文章に一つの問題という構造で、音声は一回だけ流れます。そして21問目以降は、少し長い文章を二回聞き、その文章に対し二つの問題に答えるという構造です。

この21問目以降の問題も、あるところでガラッと性格が変わります。36問目までは、 「다음을 듣고 물음에 답하십시오. 次を聞いて問いに答えてください」 という問題なのですが、37問目以降は、 「다음은 교양프로그램(대담, 강연)입니다.잘 듣고 물음에 답하십시오. 次は教養番組(対談、講演)です。よく聞いて問いに答えてください」 などの問題になります。

そう、37問目以降の文章には専門家が自身の専門分野について語ったりする問題が多く出題されます。よって、37問目以降は難易度の高い専門的な単語が出てくる傾向があり、また速度もやや速くなります。

したがって、まず3,4級を狙うという方、特に2級に受かったばかりで初めてTOPIK2を受ける、という方は、37問目以降は無理に聞かずに、マークシートを適当にとは言い切りませんが、ある程度塗りつぶしたあとは、同じ時間内に解答する必要のある書き取り問題に着手する、というのも試験に対応する技術の一つかと思います。

そして、5、6級を狙う方は36問目まではとにかく正解率を上げる、特に6級を狙う方は、全問正解するくらいの気持ちで臨んでください。

次に、多くの人の頭を悩ませる、書き取り問題について見てみたいと思います。
 
  • TOPIK2 書き取り攻略法
書取り問題は時間配分がカギを握る

書取り問題は時間配分がカギを握る


書き取り問題は51~54番までの4問が出題されます。TOPIKの主催団体が公開している『TOPIK資料室』に『TOPIK2 書き取り 答案作成方法』という資料がありますので、是非こちらを一読しておくことをお勧めします。

過去問と答案作成方法をご覧になるとよくお分かりかと思いますが、51番は短めの告知文や案内文が書いてあり、空欄を埋める問題。52番は短めの論説文を読み空欄を埋める問題です。

53番はある情報が提示され、それについて200~300字の文章にする問題です。これまでの傾向は、グラフの情報を読み取り、文章化する問題がやや多いようです。提示された情報をシンプルに文章化していけば良いので、コツが分かれば書きやすいでしょう。過去問と模範解答をよく見ると良いと思います。模範解答の書き写しなどは効果的なので、是非取り組んでみてください。

そして54番は長文の作文です。内容は社会問題や抽象的な事柄に対する自身の意見を述べたりするもので、日本語だとしても何を書くべきか悩んでしまうような内容もあります。

先ほどご紹介した『TOPIK2 書き取り 答案作成方法』を見ると、53、54番の採点基準は

・内容および課題遂行
・文章の展開構造
・言語使用

の3つの要素から成り立っています。

配点やその詳細をよく研究し、忠実に書けるようにしたいものです。
この書き取り問題で鍵を握るのは時間配分です。51~53番で悩みながらのんびり書いてしまうと、54番を書く時間がなくなります。聞き取り問題を60分まるまる聞いて解答した人に残された書き取り問題の時間は50分。したがって、51~53番までは15分~20分で済ませ、54番は最低でも30分はかけたいものです。
 
  • TOPIK2 読解攻略法
30分の休憩の後は、読解の試験となります。全50問で70分。やはり他の分野と同様、24問目までの前半部分は、中級レベルの問題、25問目以降の後半部分が上級レベルの問題となります。3,4級を狙う方は多少時間をかけても24問目までの正答率を上げるように努力すること、5,6級を狙う方はそこまではできる限り速いスピードで読み全問正解を狙いつつ、25問目以降の正答率を上げることを念頭に置きましょう。

TOPIK2の読解はとにかく、文章量が多いです。めくっても、めくっても出てくる韓国語の嵐。上級を狙う方が最後まで問題に手を付けるためには、一つの文章を何回も読んでいる時間はありません。文章を拾い読みする、斜め読みする、重要ポイントだけ読む技術、また設問文を最初に読むなど、やはり訓練と慣れが必要になります。時間との勝負なので、自分に合った解答スタイルを見つけ効率よく解答する必要があります。

以上、改編後のTOPIKについてお届けしました。これから試験を受ける方、当日は体調を整え、頑張ってください。ファイティン!


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