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中小企業向け融資、新年度の改正項目をチェック!

平成26年度補正予算の下で、現在様々な中小企業・小規模事業者向け施策が展開されています。前回ご紹介した補助金もその1つですが、今回はそれ以外の融資を中心としたメニューをご紹介します。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

セーフティネット保証(5号)、対象業種30業種追加

中小企業向け融資をうまく活用しましょう

中小企業向け融資をうまく活用しましょう

平成26年度補正予算により、中小企業・小規模事業者向けに、現在様々な施策が展開されています。その1つが、前回ご紹介した「ものづくり・商業・サービス革新補助金」(予算額1,020億円)です。

他にも、最新モデルの省エネ機器・設備の導入や工場・オフィス・店舗等の省エネ設備の更新・改修を対象に、その費用の1/2を補助する「地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」(予算額930億円)などがあります。

融資関係では、中小企業・小規模事業者の資金繰り・事業再生支援事業に1,380億円の予算がついています。事業の対象は主に3つです。

1つ目は、急激な円安やエネルギーコスト高などの影響を受け、資金繰りに困難を来している中小企業・小規模事業者向けの融資です。

最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少しているなどの要件を満たした場合、セーフティネット保証(5号)で信用保証協会の一般枠とは別枠で保証協会融資を利用することができます。この制度は、対象業種が指定されており、指定業種は3ヶ月おきに見直されます。

平成27年4月1日からは、新たな業種が指定されましたが、対象業種は以前の224業種から254業種へと30業種増加しました。これまで対象外だった業種が新たに対象となっていますので、自社が該当しているかどうか、確認してみて下さい。

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2015/1504025gou.pdf

日本政策金融公庫や商工中金では、同様の制度としてセーフティネット貸付が用意されています。利益率が低下している場合や厳しい業況にあり認定支援機関等の経営支援を受ける場合に、金利が最大0.6%(小規模事業者は最大0.8%)引き下げられます。貸付限度額は国民生活事業の場合、4,800万円となっています。

また、利益率が低下している中で、省エネルギーに資する施設等を取得し、省エネルギーを推進する場合には、省エネルギー促進融資として、金利が0.65%引き下げられ、従来とは別枠の貸付限度額となります。貸付限度額は、国民生活事業の場合、7,200万円です。

創業者に朗報!創業支援貸付利率特例制度が新設

中小企業・小規模事業者向け対策の2つ目は、創業支援・地方創生関連です。

まず、「創業支援貸付利率特例制度」が創設され、創業前や創業後1年以内の場合に、金利が0.2%(女性や若者U/Iターンによる創業者は0.3%)引き下げられます(日本政策金融公庫)。

また、事業承継対策として「事業承継・集約・活性化支援資金」が創設され、事業の承継等に当たり、安定的な経営権の確保や付加価値向上などを行う場合に、金利が0.4%引き下げられます。

借換保証の推進などで、リスケ脱出に向けた支援も

3つ目は、条件変更等を繰り返す中小企業・小規模事業者に対する支援です。

具体的には、既往の保証付き融資を新たな保証付き融資に借り換える際、複数債権を一本化し、返済ペースを見直すことで、月々の返済負担が軽減されるほか、新たな据置期間の設定も可能となる借換保証の推進や、経営の安定に支障が生じ、条件変更を繰り返す中小企業・小規模事業者などの経営改善を促進するため、信用保証協会において、地域金融機関等と連携した経営支援の取組の強化を行うこととしています。

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