<目次>
臭うトイレの原因は、尿の飛び散り・トイレダスト・汚染ミスト!
トイレが臭う原因は、尿ハネだけではありません。メカニズムを知って対策を!
家庭のトイレが臭う原因は、多くは小用の時の「尿ハネ」です。細かく飛び散った尿は目には見えないため、見過ごされて堆積してしまうのです。
■臭いの原因2:トイレダスト
ここに加担するのが、衣類の着脱やトイレットペーパーの切り出しといった動作で舞い上がる埃です。この埃が床に落ちたところに、尿ハネがかかることで、汚れの元凶ともなる「トイレダスト」に変わります。このトイレダストは細菌の隠れ家となり、臭いの原因になります。
■臭いの原因3:汚染ミスト
さらにもう1つ意外な原因として知っておいてほしいのが、トイレ洗浄のために流す水が「汚染ミスト」となり、菌を周囲にまき散らすこともあるということです。用を足したあとに、フタをせずに水を流すと、尿や便の菌が便座の上に約30cmほど吹き上がるという研究結果も発表されています。
この「尿ハネ」「トイレダスト」「汚染ミスト」の3つどもえで発生する汚れや菌は、足裏について生活空間に拡散することもあるので、要注意なのです。
トイレの汚れの仕組みを知って、効果的なお掃除を
きれいなトイレを維持するには、こうしたトイレの汚れのメカニズムを理解して、効果的にお掃除するのがコツ。まず着目したいのが「尿ハネ」です。下の写真は、男性が立って用を足したときに飛び散った尿をブラックライトで映したもの。周囲に飛び散る尿の量はなんと、2300滴なのだとか。
男性の小用時の尿の飛び散りをブラックライトで映してみると……!?
しかし、実は最近の調査では、下のグラフにもあるように、座ったまま用を足す男性が急増しているのです。2014年時点にライオン株式会社が行った調査では、既婚男性の約4割が、座ったまま用を足すと回答しています。あなたの家の男性が座って用を足しているのであれば、周囲への尿の飛び散りは激減しているはずです。
「夫の小用スタイル」の調査結果グラフ。「掃除行動実態調査」(ライオン株式会社調べ/2014年)
実は、座って用を足した場合には、便座の裏に尿ハネが付着します。これが「臭いジミ」となって便座の裏に付着し、便座を上げたときの「がっかり便座」となってしまうのです。
トイレの臭い、実は女性も大きく関わっています
同じように便座に座って小用をしても、男性と女性では、尿ハネのつき方に大きな違いがあります。意外ですが、座って小用をした時の便座の裏への尿ハネは、男性よりも女性のほうが格段に多いのです。 上のグラフを見ても、座ったままの小用時は男性よりも女性のほうが多くの尿ハネをしています。成人女性の小用時1回当たりの尿ハネは、平均約500滴という実験結果も。男性と違って便座を上げる機会が少ないため、汚れに気づきにくく、また乾いたまま放置してしまうため、「臭いジミ」を作りやすいのです。「夫や男の子の尿ハネでトイレが臭くなる!」と思っている女性は多いと思いますが、臭いの真犯人は、もしかしたら自分自身なのかもしれませんよ!
汚れと臭い、撃退対策! きれいなトイレ3原則
がっかり便座の臭いジミ。時間が経つほど取りにくくなり、臭いの原因になっていきます
- 男性は座って小用する
- 流す時にフタを閉める
- 用を足すたび、便座を上げて裏と便器のフチをトイレットペーパーでさっと拭く習慣をつける
一般のトイレシートにはエンボス加工がされているため、凸部のみでしか汚れを拭き取れませんが、トイレットペーパーは全面で汚れが取れ、埃の除去率も100%近いというデータがある、優秀なお掃除素材なのです。
トイレットペーパーに吹き付けて使うタイプのクリーナーを備えつけ。これなら抵抗なく、毎日の習慣になりやすいです。タオルバーにかけておくと家族全員が使いやすいです
便器の汚れは毎回のさっと拭き取り習慣できれいにして、少し余裕がある時に、便器のまわり、周囲などをお掃除しておきましょう。そのためにも、
- お掃除道具は、すぐ手に取れてよく見える場所に置く
- トイレマットは敷かない、床置きのモノも減らして拭き掃除をしやすくしておく
- 汚れを持ち出さないためにも、トイレ内にスリッパの習慣を
汚れのメカニズムや、汚れ方のパターンを知ることで、少ない手間でおうちをきれいに保つことができるようになります。トイレ汚れの原因とパターンを家族でよく知った上で、それぞれが自分のつけた汚れは、さっと一拭きする習慣を身につけることが、一番大切なことなのだと思います。
---文中データ調査 ライオン株式会社調べ
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