ストレス/家庭・育児・嫁姑・義理づきあいのストレス

「やりたい放題」の1歳児の心って、どうなってるの?(2ページ目)

手当たり次第に物をほうり投げたり、何十回も同じことを繰り返したり……。1~2歳児の子どもの心って、いったいどうなっているのでしょう?発達心理学を元に、1歳児の心の謎を紐解いてみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

1歳児が同じ行動を繰り返すのは、訳がある

よちよち歩きの子ども

何度も繰り返す行動も、実はその内容が刻々と変化している

また、ピアジェは2歳くらいまでの子どもの発達段階を「感覚運動期」と呼びました。自分自身の感覚と運動を通じて、外界を理解していく時期を意味します。この時期には、同じ行動を何度も繰り返す「循環反応」が特徴的です。果てしなく同じ行動を繰り返すことで、身体の使い方を学び、自分自身と外界との関係を学んでいくのです。

たとえば、歩き始めた子どもは階段の上り下りや、ソファからのジャンプを何十回も繰り返したりします。一歩ずつ階段を上ってみることで、階段を上る感覚や足の運び方を学び、高いところから飛び降りるときの感覚や、飛ぶときの体の使い方を体得しているのです。

私たち大人も、新しい知識やスキルを学ぶときには、それが自然にできるようになるまで何度も繰り返し練習しますよね。幼い子どもたちも同じように、基本的な動作を自分の力でできるようになるまで、練習しているのです。

とはいえ、子どもはいつまでも「まったく同じ行動」を繰り返している訳ではありません。よく観察していると、循環反応の内容は刻々と変化しているのが分かります。階段上り下りの基本動作を一通り覚えると、次は早く上りたがったり、お母さんの手を離して手すりをつかみたがったり、というように、少しずつ行動を変化させながら、色々なやり方で動作を試しているのです。

一見単調に見える子どもの行動も、動作の変化に注目しながら見ていくと、面白い発見があるものです。心の発達に注目して子どもに接していくと、感じ方が変わってきます。子育てにストレスを感じやすい方は、発達心理学を学んでみると子育てがぐんと楽しくなりますよ!

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