后山后湖景区の歩き方
頤和園「寅輝城関」。蘇州街の橋を渡って左(東)へ行くとこの関所が見えてくる
后山后湖景区の山道。きれいに舗装されているので安心
まず、地下鉄「北宮門」駅から最も近い、北宮門から
頤和園に入ります。后山后湖景区はそのほとんどが山中です。傾斜はなかなかキツイのですが、山道はしっかり舗装されています。ただ、坂道や階段を上ったり下りたりするので、歩きやすい服装がベストです。
北宮門を入ったらまず蘇州街の橋を渡ります。続けて四大部洲を観て、山頂の智慧海まで着いたら、山頂に沿って東西にのびている山道を歩くのもいいですし、蘇州街の橋を渡ったすぐのところから、東西にのびている山道を散策することもできます。
北宮門を入るとまず蘇州街が現れる。かつて皇帝はここで買い物ごっこを楽しんだ
いずれにしろ、后山后湖景区は明確なコースが決まっているわけでなく、ほとんどの建造物には行き方の標識もありません。地図を頼りに「こっちかな?」と、手探りに進んでいくのは、まさにお宝探しのようで、ワクワクします。ところどころにベンチがあるので、そこに腰をおろして腹ごしらえをしながら休憩…… なんてこともできてしまうのです。
それでは、后山后湖景区の代表的なスポットご紹介します。
メインの見所として知られる智慧海、四大部洲、蘇州街については、
「東京ドーム62個分!中国最大の皇室庭園・頤和園の魅力」で紹介しています。ここでは、それ以外のイチオシスポット3つをご紹介します。
諧趣園
諧趣園。ここ一カ所で庭園として完結している晴らしい景観
万寿山東側麓にある庭園。庭園の中に作る庭園「園中園(園の中の園)」という中国の古典庭園の手法の一つです。乾隆16年(1751年)に造られ、1860年、英仏連合軍によって焼き払われ、光緒18年(1892年)に再建。2009年に修繕工事が行われ、2010年に完成。古典庭園の建築要素を兼ね備えた貴重な文化遺産として、国内外から注目されています。
景福閣
色あせながらも十分に存在感ある景福閣
万寿山頂上の東側にある楼閣。建物の前方(上写真の右部分)が屋根付きテラスのようになっていて、ここで西太后は外国の使者を迎えたそうです。その他、月や花など自然を楽しみながらの宴を開いたといわれています。まだ修繕がすすんでおらず、西太后が生きた清朝から現在までの、長い時間の流れを実感できる貴重な場所です。
多宝塔
多宝塔。2015年3月現在未公開で、外から眺めるのみ
高さ16メートルの八角七層の瑠璃塔。下三層は重檐楼格式、上三層は密檐式という珍しいスタイルで、五彩の瑠璃煉瓦で築かれた瑠璃塔の傑作といわれています。
后山后湖景区にはこの他にも、典型的な四合院建築で知られる「益寿堂」や、西太后が旧正月のお祭り“廟会”を見学するために造った「眺遠齋」など、ツウ好みのスポットが、たくさん存在しています。豊かな自然を感じながら、歴史遺産を発見するドキドキを満喫してくださいね!