個性もジャンルも違う6人のダンサーをひとつの作品に集約する上で、大変だなと思う部分、生みの苦しみを感じる瞬間はありますか?
(C) TOKIKO FURUTA
ただランスルーになると、6人の中からもうひとつ何かが浮かび上がってこなければいけない。単に6人を並べただけではなく、6人全体でもうひとつ何かつくり上げるものがなきゃいけない。どうやったら出るのかなと
(C) TOKIKO FURUTA
努力はできるけど、そこで何かが生まれるか生まれないかというのはちょっと私の力では及ばないところ、偶然のような部分があって。例えば女性が子供を産むときに、男の子か女の子か決められないのと同じ。芸術作品ってみんなそうですよね。決められないし、何が出てくるかわからない。私はどんな作品でもランスルーを重ねる方で、今回は7回通す予定。ひとりひとりの踊りは出来上がっていても、全体になるとどうなのかなと。ランスルーが一番大事な生みの瞬間なので、一番難しいし、悩んでしまうところです。
(C) TOKIKO FURUTA
一番喜びを感じるのはどの瞬間ですか?
(C) TOKIKO FURUTA
プールでいえば、水がないと泳げないのと同じ。泳ぐ真似はできるけど、水があって初めて本当に泳げる。観客というのはプールでいう水であって、観客がいない振付の過程は水があるようでないようなもの。観客というのは本当に凄くて、そこでダンサーから出てくるエネルギーもまた違う。ただこれは、事前に練習ができないんですよね。
(C) TOKIKO FURUTA
どこで観客とダンサーが結び付いているかというのは、わかるようでわからない。観客が見てるところって、ちょっと違うんです。苦し紛れで出るものの方が、観客には受け取れることもある。逆にダンサーが苦しんでいて、そこから解放された喜びにいこうとすると、それはあなたの事情でしょ、となることが結構あって……。そこは難しいところです。
(C) TOKIKO FURUTA