空手/空手初心者に必要な練習・トレーニング

最強の体幹トレーニング「オーバーヘッドスクワット」

「体幹トレーニング」は、主に腹部の筋にアプローチをかけた種目が多く、これらは下肢から上肢へのエネルギーの伝達は行なわれません。そこで、空手競技と同じく立位で四肢を動かし体幹に負荷をかける「オーバーヘッドスクワット」をご紹介致します。

竹田 大介

執筆者:竹田 大介

空手ガイド

<目次>

最強の体幹トレーニング!「オーバーヘッドスクワット」

オーバーヘッドスクワットのやり方

オーバーヘッドスクワットのやり方

最近、多くのアスリートがパフォーマンス向上のために取り組み、本なども出版されていることで「体幹トレーニング」が流行し、一般の方のトレーニングとしても定着していますが、あらゆる競技において「体幹」の強化は重要な要素になります。

特に極真空手フルコンタクト空手では顔面への突きが禁止されているため、この「体幹」に直接打撃を加え合うことを考えると、他の競技以上に体幹強化が重要であると考えられます。

相手の強烈な打撃を胸に受け、姿勢が崩されると倒し技を貰ってしまったり、それを貰わなくとも崩される場面が相手より多いと判定にも響くでしょう。
 

体幹とはどの部分?

ところで、「体幹」とよく聞きますが、これは具体的には体のどの部分を指すのでしょうか?

体幹」とは読んで字のごとく「体の幹」の部分、人体から首、両腕、両脚を除いた胴体の部分です。

この「体幹」の主な機能は姿勢の安定であり、下肢で生み出したエネルギーを上肢に伝えるために重要になります。

体幹の安定性に関与する筋肉には、腹部の腹直筋腹横筋内腹斜筋外腹斜筋、腰部の腰方形筋、背部の多裂筋脊柱起立筋があります。
 

空手競技に効果的な体幹トレーニング

巷で流行っている「体幹トレーニング」というと、主に腹部の筋にアプローチをかけた種目が多いように思われます。

もちろん腹部も体幹の一部ですから強化が重要ですが、例えば腹直筋をターゲットにしたシットアップや、床の上で身体を一直線に保ちキープするプランクの様なエクササイズでは体幹強化には効果がありますが、下肢から上肢へのエネルギーの伝達は行なわれません。

また床に寝た姿勢で行われるトレーニングだけでは、立ち技競技である空手道への効果は少ないと考えられます。

そこで、空手競技と同じく二本足で立った状態で上肢・下肢を動かして体幹に負荷をかけるエクササイズ、そのなかでもより一層体幹を安定させることが難しい「オーバーヘッドスクワット」をご紹介致します。
 

オーバーヘッドスクワットの実施方法

用いる負荷は、最初はタオルや道着の帯のような軽いもの、慣れてきたら木の棒等少し重さのあるもの、それでも負荷が足りなくなってきたらバーベルに移行してみましょう。

足幅は肩幅かそれよりやや広い幅で立ち、踵に重心をかけます。

グリップ幅は肩幅より広くとります。

頭上に持ち上げたウェイトが、両耳・両肩の真上に来るように調整します。
オーバーヘッドスクワット(開始姿勢)

オーバーヘッドスクワット(開始姿勢)

息を吸いながら、椅子に座る様に股関節と膝関節を曲げてしゃがみます。しゃがむ深さは、できれば大腿が床と並行になるところを目標にしましょう。
視線は斜め上を向け、胸を張った状態をキープします。
オーバーヘッドスクワット(ボトムポジション)

オーバーヘッドスクワット(ボトムポジション)

息を吐きながら、真上に向かって立ち上がりましょう。

注意点は
・背中が丸まらないこと
・ウェイトが両耳・両肩のラインより前に出ないこと
・動作中に床から踵を浮かさないこと
です。

軽いウェイトで上記の点がしっかりと行えるようになってから重りを足しましょう。

足関節が硬く、どうしても踵が床から浮いてしまう方は、プレート等を踵の下に引いて行うと良いでしょう。

以前にご紹介したバックスクワットフロントスクワット等で培った下肢筋力で生み出したパワーを上肢に効率よく伝達して一撃必殺の突きを目指すためにも、相手の突きの連打で姿勢を崩されない強い体幹を作るためにも、日々のトレーニングにぜひ「オーバーヘッドスクワット」を取り入れてみてください!!

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