今回は、極真空手の稽古の流れについて書いてみたいと思います。
支部・道場によっても、クラス・指導員によっても、その時々でも稽古内容は様々だと思いますが、極真空手の一般的な稽古内容をご紹介します。

極真會


全員で行う号令稽古

極真空手の稽古では、決められた時間に集まった道場生全員で、一人の指導員の号令に合わせて動く号令稽古を行います。
「礼に始まり礼に終わる」武道ですから、まずは全員正座し神前に礼・黙想から始まります。

準備運動

極真空手の準備運動は、足の指先から足首・膝・股関節を動かし、下肢・体幹・肩甲骨回り・首肩回り・手の指先までダイナミックに動かすウォームアップを行います。これから使う全ての筋群を使い、人体の3つの解剖学的平面(前額面=身体を前後に分ける、前から見た面、矢状面=体を左右に分ける、横から見た面、水平面=身体を上下に分ける、上から見た面)全ての面上の動きを取り入れたウォームアップになっています。半世紀も前に設立された極真会館で長年に渡り行われてきたこの準備運動はウォームアップとしてとても有効であり、人体についての勉強をすればするほど素晴らしいものであることに気付かされます。

基本稽古

「型」を一つ一つの技に分解し、正拳・裏拳・受け・手刀・足技を三戦立ち・騎馬立ち・前屈立ちといった基本の立ち方で行います。目の前に自分と同じ体格の相手を想定し、相手の体のどこに、自分の体のどこを当てるかを意識して行います。
基本稽古ではできるだけ体を大きく使い、空手における基本的な体の使い方を習得しましょう。

移動稽古

基本稽古で行った技を、前屈立ち・後屈立ち・三戦立ち・騎馬立ちといった基本の立ち方で移動しながら行います。長時間この姿勢を維持するのは疲れますが、鍛錬の意味もありますので頑張りましょう!

型稽古

基本稽古・移動稽古で身に着けた基本技術を用いて、相手との攻防をイメージしながら行います。空手(型)の三要素 「力の強弱・技の緩急・息の調整」 を意識して行いましょう。

呼吸法

「息吹」「のがれの呼吸表・裏」といった極真空手の呼吸法を学びます。呼吸が乱れて浅くなった際にもこの呼吸法で素早く深い呼吸に戻すことができ、呼吸筋のトレーニングにも最適です。

ミット稽古

基本稽古で基本的な体の使い方を習得したら、今度はミットに突き・蹴りを打ち込んでいく稽古を行います。実際にミットを打つことで技の極めの感覚や当てる間合いを意識し、技の威力やスピードを養い、連続して技を繰り出すことで心肺能力を向上させることもできます。

約束組手

相手と組み、攻め手・受け手に分かれ、攻め手の技・受け手の受けを決めています。

受け返し稽古

相手と組み、攻め手・受け手に分かれて自由に攻防を行います。攻め手はこれまで培ってきた技を動く相手にしっかり当てる、受け手は相手の技に反応し防御する能力を養います。

組手稽古

実際に相手と技の攻防を行います。技をお互いに当て合いますが、殴り合いとは違います。決して感情的にならず、自分の組手稽古の相手を務めてくれているパートナーに感謝の気持ちを持って、お互いの技術が向上する様に行いましょう。

補強稽古

筋力や心肺機能向上のトレーニングを行います。

柔軟体操

柔軟性を高め関節可動域を広げ、稽古での筋疲労を軽減させる目的でストレッチを行います。

正座して礼・黙想・道場訓を読んで終了。終了後は全員で道場の掃除を行います。

気合い

技を出す際には、お腹の底から「セイ!」と大きな声を出して行います。これは自分を鼓舞し稽古全体を盛り上げる意味があり、「円陣における気合の効果 The effect of shout with making a circle」という研究論文にて「最大筋力の発揮、反応時間の短縮、力の立ち上がり速度にも影響がある」ことが明らかになっています。


上記内容を1回の稽古では時間的にできないと思いますが、この様な内容を行っていくことが多いと思います。「極真空手の稽古は全て組手の為にある」と言われていますので、全ての稽古で目の前に相手を想定して行います。準備運動等でも下を向かず、必ず前を向いて行うのはそのためです。

全員での号令稽古を全力でやればそれだけでヘトヘトに疲れると思いますが、体力が付いてきて、もっと稽古したい部分があればぜひ自主稽古で行ってみてください。



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