ストレス/家庭・育児・嫁姑・義理づきあいのストレス

わが子の「中二病」、親はどうする!?(2ページ目)

自意識過剰で反抗的、ガラスのように壊れやすい中学生。巷で言う「中二病」まっさかりの子どもたちに、親はどう接したらいいのでしょう。この時期の子どもの心を理解し、親に求められる姿勢を考えてみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

親ができること――その1「見守る」

教室の中学生

思春期の葛藤は自分自身で乗り越える――親は信じて見守る

「中二病」の子どもに親はどう対応するべきか? まずは、子どもが自分の力でこの荒波を乗り越えられるよう、見守ってあげることです。

子どもが仲間の評価を気にし、格付けされて傷つき、気持ちがささくれだっている様子を見ると、ハラハラして介入したくなってしまうかもしれません。もちろん、いじめや犯罪に巻き込まれたり、危険な行動に傾倒する可能性があれば、教師やスクールカウンセラーに相談するなどして早めの対策を考えることが必要です。しかし、仲間社会での小さな心の傷にいちいち介入していたら、子どもは自分で困難を解決する力が身につかなくなってしまいます。

親の字は「木の上に立って見る」と書くように、少し離れた所から様子を見守り、子どもが自分の力で困難を乗り越えていけることを信じて、じっくり見守っていくしかありません。

親ができること――その2「視野を広げる」

また、中二病に振り回され、混乱しているように見えたら、子どもの視野を広げるためのヒントを少しだけ示唆してあげてもいいでしょう。

たとえば、「友だちからダサいって言われそう」と気にしすぎている子には、「今は“周りの基準”が気になる時期なのかもね」とその気持ちに共感し、「でも、人の価値観には優劣があるわけでもないし、周りにどう思われるか、気にならなく時期も来るかもしれないね」などと応答してみるのも一案です。つまり、「上から目線」で大人の意見を押し付けるのではなく、大人になったからこそ見える視野をほんの少しだけ、ほのめかしてあげるといいのです。

そのときはピンと来なくても、こうした言葉は子どもの心の中に印象深く残っていきます。そして、成長のタイミングに合わせてその言葉が湧き上がり、背中を押す力になってくれるでしょう。いっとき「中二病」でハラハラさせられても、その時期にはあっという間に終わりが来ます。子どもは日増しに成長する生き物です。子ども自身が持つ「困難を乗り越える力」を信じ、温かい目で見守っていきましょう。

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