眺めの違い
「赤坂サカス」は東京メトロ千代田線「赤坂」駅地上部の再開発によって誕生した複合施設である。その中で最も高い建物が「赤坂Bizタワー」。地上39階建て、高さ約179メートルだ。近隣では、「山王パークタワー」が最も高い。地上44階建て、約194メートルである。都心部で最も高いビルは「東京ミッドタウン」の「ミッドタウンタワー」。54階建て、約248メートルである。上層部はオフィスだ。2番が「虎ノ門ヒルズレジデンス」。1メートル低い約247メートル。上層が住宅(37~46階:172戸)とホテル(47~52階:「アンダーズ東京」)。
マンションライフの魅力は、なんといっても「眺めの良い暮らし」ができること。タワーマンションが人気なのは、それが最大限享受できることにある。だがしかし、都心では前述のような超高層ビルが次々に立ち上がる。せっかくの眺望がいつさえぎられるわからないといった不安が常に付きまとうのだ。
何が言いたいかといえば、都心の超高層上層階はほとんどがオフィスであるが、わずかながら住宅(マンション)用途の建物がある。最も高いそれは「虎ノ門ヒルズレジデンス」に他ならない。上の画像は、当該住戸から新宿方向を撮影したもの。中央右下が「赤坂Bizタワー」、右が「山王パークタワー」だ。一般的なタワーマンションならさえぎられるであろう、西新宿の超高層ビル群が赤坂のビル越しに見える。
坪1400万円超
先日、「虎ノ門ヒルズレジデンス」売却物件情報を複数の大手仲介サイトで発見。売却希望価格3億8000万円。専有面積 88.7m²(52階建 45階部分)、坪単価換算で約@1416万円である。2014年の最高額住戸は「パークマンション三田綱町 ザ フォレスト」202.74平米の7億円。同約@1141万円とを比較すればいかに飛びぬけているかがわかる。アベノミクス以来、「あのマンションがこんなに値上がりしたの?」と思わせる希望価格で売り出されている住戸を少なからず見るが、2つの見方ができるだろう。ひとつは、あくまで売却希望価格だから実勢価格(相場)には至っていない可能性があること。もうひとつは、これまでの価値観で比較すると見誤るということ。それは他でもない希少性の価値である。
国内外を問わず富裕層の都心マンションに対する関心は高まっている。世界的な金融緩和によって、投資余力は膨張。魅力的な資産に向かいやすい環境にある。東京は五輪開催やリニア開通による都市力向上が期待できる。インフレーションが実現すれば、資力拡大が望めるのだ。そう考えれば、本当に希少性のある物件が飛躍的に値上がりしても不思議ではない。そのひとつが「永続的にさえぎられることのないであろう地上200メートルの眺望」というわけだ。
「虎ノ門」の将来性
「虎ノ門ヒルズレジデンス」の魅力を眺望に絞って言及したが、一般的には環状2号線と新駅が認識されている要因だろう。環状2号線は、いずれ首都高湾岸線とつながり、羽田と都心を20分でつなぐ大動脈になる。またその地上部「新虎通り」は幅員40m、最大13m(片側)の歩行空間を有する道路であり、将来的にはパリの「シャンゼリゼ通り」のようなメインストリートを目指す。10年後、20年後の景色が楽しみである。
東京メトロ日比谷線「神谷町」と「霞が関」の中間に「新駅」構想が発表されたのは2014年9月。東京五輪2020までに設置したいとのこと。
新橋から環二通りの地下を行くと、赤坂、六本木との距離感がこれまでと違って感じるのではないだろうか。物流の流れが大きく変わる予感がする。
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