洞窟と渓谷の名勝、チャンアン

チャンアンのビジターセンター

チャンアンのクルーズの出発点となるビジターセンター。クルーズは3時間ほどだが、ツアーによっては洞窟や寺院の数を減らして短縮することもある

ベトナム人の間でタムコックと並んで人気なのが世界遺産名にもなっているチャンアンだ。

川、タワー・カルスト、洞窟のラインナップはタムコックと同じだが、チャンアンの見所はなんといっても洞窟だ。ここには50以上の洞窟、30以上の谷があるという。クルーズではその中の6~7の洞窟を抜け、数々の谷を巡る。鍾乳石や石柱・石筍は洞窟や場所によって形が違うので、それを見ているだけでも味わいがあるものだ。
チャンアンのクルーズ

チャンアンのクルーズでは、タムコック以上に多くの洞窟を抜け、渓谷をまたぐ

それは奇岩・奇峰にもいえること。カルスト地形は多彩で、木々のような刺々しい岩が林立しているもの(カレンフェルト)や丸い大きな一枚岩、現代彫刻のようにグニャグニャと彫り込まれた岩など多彩な姿が見て取れる。川と接している場所は岩がえぐり取られていたりするのだが、こうして穴が穿たれて、やがて洞窟に成長するのだろう。
チャンアンの洞窟

チャンアンの洞窟。グリーンの水面が美しい

また、チャンアンにはチャン祠をはじめいくつかの寺院があり、上陸してこれらを参詣することができる。島の周囲にはピンク色のハスの花が咲き乱れており、緑に映えてとても美しい。

 

上・中・下の3寺からなる洞窟寺院、ビックドン

ビックドン(碧洞寺)

タムコックから2kmほどの位置にあるビックドン(碧洞寺)。こちらは奇峰と一体化した下寺

奇岩群の奥深く、ビックドン山と呼ばれるタワー・カルストの頂上・中腹・麓に建てられた上・中・下の3寺からなる寺院がビックドンだ。その美しい景色に打たれた僧たちが11世紀に創建し、18世紀にふたりの僧侶が現在のような三層構造を確立したという。

その景色が堪能できるのが上寺だ。林立するタワー・カルストと水田・農村が調和した文化的景観は息を飲むほど美しい。特に稲穂が垂れる時期には黄金の中から奇岩が立ち上がるのだという。
ビックドンの中寺

洞窟に建てられたビックドンの中寺 ©Tango7174

一方、洞窟の中に築かれた中寺は、もともと15世紀に建立された石窟寺院で、釈迦如来、阿弥陀如来、普賢菩薩、観世音菩薩などが彫り込まれており、清涼で神秘的な空気をまとっている。この洞窟の中を抜けて上寺へと登っていく。

下寺は、石灰岩の大地が溶けて崩れないように石のプラットホーム上に築かれている。石と木と瓦を組み合わせた中国風の寺院は日本の寺とは違う独特の味わいを持っている。この下寺の隣にはフォンテック寺が建っている。