初演から20年ぶりの出演となりますが、改めて踊ってみてどのような印象を持ちましたか?
足川>8年前に再演したのも、たまたま初演のリハーサルのビデオを見つけて“これは面白いぞ”と第三者的に思い、“あれもう一回やらないですか?”と佐多先生に言ったのがきっかけでした。ずっと“いいな、面白いな”と思って何度もビデオを見てましたから、結構覚えてましたね。“ここ辛かったな”とか、“こういう感じだったな”とか……。
坂本>リハーサルをしていると、“あ、こうだったな”というものが自分の中で今ところどころ蘇ってきています。本当に少しずつなんだけど、近くなってきている感覚は確かにあって、本番までに全てが上手く蘇ってくれたらと。練習するたびに身体が思い出す瞬間があるし、またそれが日々少しずつ増えている手応えがあります。それに今踊っても、全く古さを感じないのがすごいところですよね。
足川>8年前にやろうという話になったとき、先生に“『ソネット』って面白いですよね”って言ったら、“そう? 古くない?”と(笑)。“全然古くないですよ!”って言ったんですけど。
高部>先生の中ではもう先に進んでるんですよね。今回は初演のビデオから振りを起こしているので、基本的に初演のまま。観客として観たときも“この音は難しいな、どうやって数えてるんだろう”って疑問に思っていたけれど、実際踊ってみるとすごく難しくて。動いてないときはなんとか音を数えられても、動きだすと途中で数えられなくなったりして、とにかく音楽は慣れるまですごく難しかったです。これは実際にカウントするというよりは、何度も何度も練習していって、身体で覚えるしかないのかなと。自分の踊りがふたりの動きとぴたぴたっと合ってくると、ああこれでいいんだって思ったり。“ここで自分がこれをすれば次に一緒に組むとき合うな”とか、何度も踊っていく内にだんだん掴めてきた感じです。やっぱりやればやるほどわかってくるし、できたときは楽しいですね。