フランス語

ニュースで見たフランス語、Je suis Charlieとは?(2ページ目)

Charlie Hebdo社銃撃事件という痛ましいニュースの後、多くのフランス人がJe suis Charlie(ジュ スィ シャルリ/私はシャルリ)と声をあげ、大規模な行進を行いました。今回は、この一連の流れを通して「フランス」という国について改めて考えてみましょう。

越智 三起子

執筆者:越智 三起子

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Je suis Charlieのフランスでの一般的な理解

Je suis Charlieの解釈については、実際のところ、フランスのメディアでも完全に一致しているわけではありません。例えば、情報サイトContrepointsの1/11付けの記事では、この言葉を「人々は、un message de solidarité, la défense de la liberté d’expression, le rejet du terrorisme(連帯のメッセージ、表現の自由の擁護、テロリズムの拒絶)と結びつけるであろう」としており、たまたま今回の難を免れたCharlie Hebdoの漫画家Luzは、Je suis Charlieという言葉が、「 l’étendard de la liberté et de la résistance à l’obscurantisme(自由と反啓蒙主義への抵抗の旗印)」とされてしまっている風潮に対して1/10のles in Rocksの記事で異議を唱えています。また、marche republicaineの中継時には、Je suis liberté !(私は自由!)という言葉を胸に歩く人々の姿も見受けられました。

こうした状況からこの言葉のフランスでの共通概念について改めて考えてみますと、Je suis Charlieという言葉を掲載している在日フランス大使館のサイトにもある「反テロと表現の自由」という言葉を一般的な理解とするのがよいように思われます。つまり私たち日本人の理解と異なって、Charlieという言葉は「雑誌」という媒体そのものではなく、「われわれは暴力によって犯される自由を死守する」といったような意味を象徴するものとしてフランスでは使われているわけですね。翻訳では伝えきれない言葉の解釈のズレが日仏にあるということを私たちは理解しなければなりません。

Charlieを探せ!

それでは、最後に象徴としての「Charlie」という言葉に対する理解を助けてくれるようなフランス語フレーズを紹介しておきましょう。

  • Où est Charlie ? Dans nos esprit.(シャルリはどこ?ぼくたちの精神の中さ)
日本でも有名な「ウォーリーをさがせ !」のウォーリーのフランス名は実はCharlie(シャルリ)。Où est Charlie ?(ウ エ シャルリ/シャルリはどこ?)は、「ウォーリーをさがせ !」のフランス語タイトルです。世界的に有名なこの漫画の主人公の名前とかけたこの言い回し、それを共通認識としての「反テロと表現の自由」と考えたならば……。とても奥深い言葉遊びですね。
少しでもフランス的なものの考え方を理解していただけたら幸いです。

 


 



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