生命保険の特徴
団信の代替となる生命保険として「収入保障保険」があります。「収入保障保険」とは遺族が一定期間、一定金額を毎月受け取る生命保険です。一括で受け取ることも可能ですが、月々のローン返済額を上回る毎月の保険金受取額を確保できれば、ローン返済に困らなくて済みます。
●団体ではなく個別契約
個別契約ということは、支払う保険料は個別に異なることを意味します。団信がローンの残債と支払期間で保険料が決まるのに対し、生命保険は加入時の年齢や性別、病歴、喫煙の有無などを個別に考慮して保険料が決まるので、年齢が高い人ほど保険料が高くなります。
●損得の損益分岐点年齢
年齢による線引き基準は一般的に35歳と考えて良さそうです。35歳以下の人は、団信よりも生命保険を検討するのがお得ですが、35歳を超える人は、団信を検討するのがお得です。ただし、個別事情によって保険料は異なるため一概には言えません。生命保険を専門分野にしているファイナンシャル・プランナーに相談して下さい。
●生命保険で代用する場合の注意点
団信を使わずに生命保険で代用することを検討する際は、健康状態によっては生命保険に加入できない可能性もあります。もし、生命保険に加入できず、団信も申し込まないまま、フラット35の手続きを進めてしまった場合は、団信も生命保険も無い状態で住宅ローンを組むことになってしまう可能性があります。
団信は住宅ローンの返済途中から加入することや解約(脱退)した後に再加入することはできませんので、生命保険の手続きには余裕をもって取り組む必要があります。
相続税と団信、生命保険の関係
2015年1月1日より相続税が増税されましたが、相続税対策という視点からは、団信よりも生命保険の方が効果ありそうです。●団信と相続税の関係
団信は契約者も保険金受取人も金融機関です。団信で支払われる保険金は遺族には関係が無く、相続「財産」にはなりません。同時に住宅ローンもゼロ円になることから「債務」になりません。つまり、相続税の税額計算上のプラスもマイナスも無く、最後には借金が無いマイホームだけが残ります。マイホームの価値が相続税の対象になります。
●生命保険と相続税の関係
生命保険と住宅ローン残債が同額の場合はどうでしょうか。死亡保険金は「財産」です。そして、住宅ローンという借金は残っていますので、「債務」があることになります。
こちらはプラスもマイナスもある状態です。でも、差し引きすればプラスマイナスゼロです。一見、団信と同じようですが、生命保険金には「生命保険の非課税枠」が使えるため、団信と比較するとその分だけ相続財産が減ることになります。
(注)分かりやすく読みやすい文章にする為、一部、専門用語としては不正確な表現があります。ご了承ください。