トレンドキーワード2:観光のギャップ
節約志向に加え、円安傾向が重なる2015年。そもそも若者の海外旅行志向は10年前と比べても高くはない状況だ。このような中、旅行先についてはますます国内志向が高まる。日常とは少し違う日本、つまり“ギャップ”を楽しむ旅行スタイルが加速していくとみる。
2014年に大人気となったJR九州の「ななつ星」。豪華寝台列車で九州を周遊するのだが、これだけの人気になった背景には、日常との“ギャップ”を楽しみ、“プチ贅沢”気分になりたい人たちの姿が見えてくる。
2015年は北陸新幹線開通によって東京から金沢へのアクセスが飛躍的に良くなる。小京都と言われ、魅力溢れる土地だということは多くの人が知っているが、アクセスの悪さゆえにメジャーになり切れなかった。その金沢に人が殺到する。金沢だけではない。今まで多くの人たちが知らなかった日本の地方への観光が増加するとみる。海外旅行には行かないけれど、日常と“ギャップ”のある日本の地方を発見する、こうした人たちが増えていくだろう。この傾向は日本人だけではない。増加する外国人観光客の中には、二度三度来日している人も多くなっている。こうした中、東京・京都・富士山だけでなく、まだ見ぬ日本を発見しようという人も増えるだろう。外国人観光客も地方を訪れるのだ。
トレンドキーワード3:性・年齢のギャップ
政府方針のもと、これまで以上に「女性の社会進出」が推し進められるのは確か。一方でいまだメディアでは「男性の草食化」という言葉が踊っている。その意味で消費における性差が少なくなってきた印象を受ける。つまり、“これは男性向きの商品”“これは女性向きの商品”といった区分けが必ずしも合致しない時代になってきた。たとえば、ランチひとつとってもそうだ。店側の心理として一昔前であれば「男性客向けに肉定食」で「女性客向けに魚定食」というメニュー作りをしていたかもしれない。しかし、今は違う。2015年は、この“性のギャップ”を踏まえた商品やサービスがヒットしていくだろう。
もう一つは“年齢に関するギャップ”だ。母と子が友達のような関係でショッピングや食事を楽しむ“友達親子”。これは数年前から続くものだ。これに加え、最近では父が子のおもちゃを購入することを楽しむ“あの頃よもう一度消費”スタイルが定着してきている。2015年はこの傾向がますます加速する。子供の頃には買うことの出来なかった玩具を大人買いするのだ。
仮面ライダー、ウルトラマン、ガンダムなど、現在の子供向けのアニメの中に、かつて自分が見ていたキャラクターが登場する。玩具においても、大人向けのハイグレードで高価格なものが大人向けに発売され、子供向けの商品の近くにおいてあるようになった。2015年はUSJに「進撃の巨人」のアトラクションが完成する。また12月18日には「スター・ウォーズ」の映画公開がある。ガンダムも、実際に動く実物大ガンダムを2020年に向けて製作しようと、バンダイが社長を筆頭とした大型プロジェクトチームを立ち上げている。玩具は子だけのものではなく親に対してのものでもある。この「年齢に関するギャップ」は2015年のトレンドのキーワードの一つになるのだ。