アニムスのプロセスは「いばらの道」

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アニムスの道は止められない、でもその道はしんどい「いばら道」

女性は、自分のアニムスを外界の男性に投影させて憧れるだけでなく、自分自身がアニムスの段階を積極的に進んでいくことで、内的成長を果たそうとする傾向が強いように思われます。

「女性らしさ」は“優しさ”や“豊かな感性”などの優れた特性にあふれていますが、それだけでは社会の中で生きるには、頼りないものです。とはいえ、「強い男性」に頼って生きるのは不安定で、その生き方では男に傷つけられ、支配されるリスクも伴います。そこで、女性は心に潜むアニムスを開花させ、男性の特徴を取り入れながら、力強く生きていきたいと願うようになるのです。

しかし、そのプロセスはなかなかに険しく、困難です。男中心の闘争的な現場で男並みに働き、男社会の規範の中で生きていくのは、肉体的にも精神的にも疲弊します。こうして男と肩を並べて頑張る姿は、生意気に受け止められることも多く、厳しい環境、厳しい視線にさらされ、意固地になっていく女性も少なくありません。

また、家庭生活においては、女性らしい優しさや感性こそ、夫婦関係や子育てには必要なものです。それなのに、男性的なルールや理屈で家族を縛りつけたり、合理性を追求していくことで、家庭から安らぎが消えてしまうことも少なくありません。

頑張れば頑張るほど煙たがられ、敬遠される――。とはいえ、そうした「いばらの道」を歩みながらも、アニムスに目覚めた女性は、中途半端にその道を降りることができず、突き進むしかありません。男性性は、甘えや妥協を許してはくれないからです。

段階を上り切った末に得られる「究極の人間力」

しかし、アニムスの段階を昇り切り、強さと知性を身につけた女性には、真の充実感と満足が待っています。苦境の末に人生を洞察する力を得れば、“女は女らしく”“男に負けない”といった偏狭な価値観に留まらず、女性的な面も男性的な面も統合した深い人間性を築くことができるからです。

こうした深い人間性にたどりつた女性には、アニムスの段階を昇っていた頃に見られがちな焦燥感も切迫感も傲慢さもありません。柔らかさと厳しさ、感性と論理性、優しさとけじめとが同居した統合された人間へと成長し、その姿は周囲から深い尊敬を受けるようになります。

無意識に潜む「アニマ」や「アニムス」を統合させて、より深い人間性を目指していくという点では、男性も女性も変わりはありません。既定の“男らしさ”“女らしさ”にこだわらず、それぞれの特性を統合させた究極の人間性を目指していきませんか?

■男性の「アニマ」に関する記事はこちら⇒「ミドルエイジの恋」が物語る中年男子の心理課題

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