役作りはどうされていますか?
『ドン・キホーテ』(C)Kiyonori Hasegawa
たぶんクララはお人形にいつも話かけたりしていたからこそ、夢に出てきたのかなって思っていて。“私もこれからしばらく人形に話しかけてみようかな、そうしたら夢に出てくるかな”って言ったら、みんなに全力で止められました(笑)。
実際にクララを踊ってみて、幼い女の子を演じるのって意外と難しいんだなって感じましたね。私自身が子供の頃は本当にお転婆だったので、そのイメージでクララを演じるとちょっとはしゃぎすぎてしまう。クララは少し引っ込み思案なところがあったり、怖がりなところがあったりして、だからこそ人形に対して夢を持っているのではと。子供の無邪気さだけじゃない何かがあるような気がするし、かといってそこを強調するとおとなし過ぎてしまう気がするし……。
それでも一幕は無邪気な子供のままでいていいと思う。だけど、二幕で金平糖の精になったときにどうすればいいんだろうってちょっと迷っていて。ただはしゃいでるだけではなく、クララはお姫様になっているので、この国にいる自分の存在も違ってくる。一幕とはやはり表現の仕方も変わると思うし、そこをどうしようかなと今悩んでいます。
グラン・パ・ド・ドゥには難しいリフトもあるし、もちろん技術的な面でクリアしなければいけないことは沢山ある。でもやっぱり一番は演技面ですね。一幕は特に舞台に立っている時間が長くて、演技をしてるシーンも多い。クララに対する集中を切らさずに、どこまでクララに入り込めるかというのが課題です。
『くるみ割り人形』リハーサル (C)Shinji Hosono