10年先の世の中は分からない
わずか7年でスマホが片時もはなせない時代になりました
10年前の2004年といえば「冬のソナタ」が放映され、韓流ブームが起き始めた頃。2007年にiPhone、アンドロイドが発売され、わずか7年でスマホが片時もはなせない時代となります。いまやパソコンを買わずにネット接続はスマホだけという生活スタイルが誕生しています。両手でパコパコ携帯メールしていた頃に10年後は現在のようになると予想できたでしょうか。
1995年にウィンドウズ95が登場し、絶好調だったビル・ゲイツに記者が「ライバルは誰か」と質問した時、ビル・ゲイツの返事は「ライバルはいない。怖いのは今頃、ガレージでなにかやっている連中だ」と答えた逸話が残っています。その通り1998年にガレージからスタートしたのがGoogleでした。新しいテクノロジーが登場すると、世の中のあり方そのものが変わってしまう、まさに不確実な時代です。
Googleが自動運転車を公道で走らせ実験をすすめていますが、10年先の2024年を考えると自動車教習所、自動車保険などはかなり変わっているでしょう。反対に自分で思う存分、運転を楽しめるサーキット場がブームになっているかもしれません。
所有から利用する時代へ
自動仕訳してくれるクラウド会計が登場
クラウド上で使う会計ソフトですが、会計帳簿を自動作成してくれる点が評価され利用者が増えています。個人事業や小規模事業者では、手形を使うことはまずありませんので決済は現金、銀行、カードになります。
パソコンへインストールした会計ソフトでは記帳した通帳を見ながら、経費を入力していきますが、クラウド会計なら自分が使っている銀行やカードを登録しておけばネット経由でクラウド会計がデータを受け取り、自動仕訳してくれます。まだまだ完璧ではないですが、かなり労力を減らせます。
弥生会計もクラウド化をすすめていますが、今までのようにインストール型の同業者との戦いから、戦いのフィールドが違う同業者との戦いに移行しています。
TCO削減でITがわかる人材を手放してはだめ
TCO削減で安易に業務をアウトしーシングしてはダメ
経理部門を統括する役員の頭はコストがかかるIT部門をなんとかできないかという発想になりがちです。コスト削減のてっとりばやい手法がアウトソーシング。システムの維持管理をグループ会社や外部の会社に委託し、IT部門の人間を営業などに移すことができれば、人件費を下げることができます。
2~3年なら大きな影響はでませんが、日進月歩の業界ですので、異動した社員はITの土地勘をだんだんとなくしていきます。
明日、新しいテクノロジーやイノベーションが起きて、自社を取り巻く外部環境が大きく変わるかもしれません。生き残りのために自社のビジネスモデルを見直さないといけない時にITは必須です。
システムを外部事業者に依頼する時、ITに土地勘がない社員がいなければ、仕様確定に時間がかかり、システムの作りこみが甘くなりますので、あとあとトラブルが多く発生します。
不確実な時代、安易なTCO削減はせず、長期的な視点で考えていかなければなりません。
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