A.M.ステューデンツの生徒さんがバレエ団のオーディションを受ける際、
サポート体制は何か用意されていますか?
牧>今のところ設けていません。A.M.ステューデンツだからといって優遇されて牧阿佐美バレヱ団に入れる訳ではないし、また必ずしも牧阿佐美バレヱ団にしなければいけないということでもない。牧阿佐美バレヱ団に入って主役になる子もいますが、新国立劇場バレエ団を受けたり、他のバレエ団に入ったり、海外に出て活躍してる子たちもいますね。(C) TOKIKO FURUTA
近年はコンテンポラリー・ダンスの世界でも、A.M.ステューデンツ出身者が多く活躍しています。
牧>なかにはコンテンポラリーが好きでそちらに進む子もいますし、体型的にコンテンポラリーの方が合って転向するひともいます。コンテンポラリーで活躍している田畑真希さんも、A.M.ステューデンツの生徒さんだった方。金森穣さんは橘バレヱ学校の生徒で、日本ジュニアバレヱとA.M.ステューデンツで稽古をして、牧阿佐美バレヱ団で踊っていました。あるときムードラからひとり男の子の空きがあるから入れられるよという話が来て、彼に“コンテンポラリーなら自分で考えたものが表現できるけど行く?”と聞いたら“行く”と言う。もちろんベジャールの学校ですからバレエの稽古もやっていますし、いろいろなものを学ぶ中で創作も勉強したでしょう。
次の年もムードラから女の子にひとり空きがあるよと声がかかりましたが、そのときはみんなバレエをやりたい子たちばかりだったので誰も推薦できませんでした。やはり、バレエをやりたい子にコンテンポラリーをやりなさいとは言えませからね。どこに進むかは、最終的に本人の意向に任せるしかありません。
(C) TOKIKO FURUTA