マネジメントの基本を学ぶ厳選書籍!仕事以外の場面でも役立つ
マネジメントの基本を学ぶことは、ビジネス以外の団体運営や人間関係構築にも大いに役立つもの。ビジネスマンがまっ先に読むべき、厳選マネジメント書籍5冊を紹介します。マネジメント本おすすめ5選!書籍で学ぶ組織運営のマネジメント力
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1.初心者でも読めるドラッカー『マネジメント(エッセンシャル版)-基本と原則』
マネジメント書籍と言えば、まずは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(もしドラ)』で一躍有名になったP・F・ドラッカーの『マネジメント』でしょう。『マネジメント』は正式には上下2巻の翻訳本『マネジメント-課題・責任・実践』が出ていますが、これをマネジメント初心者が読破するのは結構つらい。おすすめは、そのエッセンスを漏らすことなく伝えた『マネジメント(エッセンシャル版)-基本と原則』(ダイヤモンド社)です。
この本は01年の発刊ですが、もともとは『抄訳マネジメント』として75年に発刊されロングセラーを記録した書籍の改訂版です。ガイド自身も大学時代に初めて読んだドラッカーがこの『抄訳マネジメント』でした。ドラッカー本人からも絶大な信頼を得ていたと言う上田惇生氏の翻訳は、原書を最も忠実に日本語で伝えたものと評価されています。
初心者には専門的な言い回しなど難しい部分はありますが、乱立する『マネジメント』の解説本から入るよりも、まずは原作に親しむことが、何より正しく著者の考えを理解する近道です。
ガイド自身もこの本で身につけた組織マネジメントの基礎が、ビジネスの現場で大いに役に立っていると思っています。
2.マーケティングのバイブル、コトラー『マーケティング入門』
『マネジメント』を組織経営のバイブルとするなら、マーケティング分野のバイブルと呼べるのがP・コトラーの『マーケティング入門』です。コトラーの言うマーケティングとはすなわち戦略的マーケティングであり、氏の理論は、戦略とはいかにつくられるべきであるかという部分から入る点がポイントになります。その点でドラッカーと同じく、多数出版されているコトラー解説本の大半はコトラーのマーケティング理論を道具として活用することにばかりで偏りが感じられます。やはりオリジナルのコトラーの著作で理論そのものを学ぶことがおすすめ。基本は、『コトラーのマーケティング入門』(ピアソン・エデュケーション)で読むのが一番でしょう。
大判サイズで600ページを越えるボリュームを前に尻ごみするかもしれませんが、『マネジメント』に比べると実際の企業事例をひいた引用説明も多く、身近に感じられるのではないでしょうか。
第1部で戦略的マーケティングの考え方の基本を学んだ後は、関心のある部分から読み進めるのもいいでしょう。
3.ドラッカーの後継者が書いた名著シリーズ『ビジョナリーカンパニー』
組織マネジメントの各論において、最重要ともいえるものはビジョンの理念です。組織運営におけるビジョンの重要性とそのあり方について具体例を通して学ぶには、『ビジョナリーカンパニー』(日経BP社)が最適でしょう。スタンフォード大学のジェームズ・C・コリンズ教授とジェリー・I・ポラリス教授が、18の優良企業に関する6年間にわたる調査データに基づいて執筆。優良企業の活力はカネではないものに導かれているという結論をライバル企業との比較、分析により導きだし、ビジョンと言うキーワードの下にレポートした95年発刊の書籍です。コリンズ教授は、ドラッカーの後継者と言われる経営学者でもあります。
01年には続編『ビジョナリーカンパニー2飛躍の法則』(日経BP社)が発刊されています。こちらは普通の会社がいかにして偉大な会社に飛躍したのかを、前作と同様の手法で分析し、結論へと導きます。
著者によれば、「2」から先に読み進めるのがおすすめとのこと。そのとおり、初めて読まれる方は「2」→「1」の順に読み進めると、より理解しやすいと思われます。
さらに、シリーズは『3.衰退の5段階』『4.自分の意思で偉大になる『へと続きます。「1」「2」を読んで興味を持った読者は読み進めてみるといいでしょう。
4.すぐに実践可!リーダーたる人間の生き方とは『7つの習慣』
最後にマネジメントにおける『人』に関する本を2冊紹介します。1冊は、マネジメントの立場からリーダーたる人間の生き方の指針を示唆する96年発刊の名著『7つの習慣』(キングべアー出版)。『7つの習慣』の著者のスティーブン・R・コヴィー氏はリーダーシップ研究の第一人者。ビジネスマンとして、あるいは一個人として、効果的な人間関係を築くための基本について具体的事例を掲げ7つの習慣として説明しています。人と人のコミュニケーションを円滑におこない、組織や自己のプラスにかえていくための指針でもあります。多くの自己啓発本の元ネタ的な存在でもあり、氏の考え方は広く教育の場でも活用されています。
5.日本的経営についての金言『人を生かす』
最後の1冊は、他の4冊とはやや毛色が異なりますが、マネジメントの中で特に重要な組織における経営資源としての『人』の扱いを解説した、京セラの創業者稲盛和夫氏08年の著作『人を生かす』(日経ビジネス文庫)です。この本は、組織における最重要課題、『人の活性化をいかになすべきか』について、京セラを世界企業に成長させまた破たんした日本航空を蘇らせた稲盛氏が、持論である経営哲学を元に説いています。
氏が主宰する盛和塾会員からの人に関する質問に答えた一問一答形式。組織内の人材教育やモチベーション向上については日本的組織運営の要素を踏まえる必要があり、日本を代表する経営者である稲盛氏の経験に裏打ちされた物言いは大いに参考になるものです。
組織マネジメントを自分の知識として確実に身につけるために重要な本
ここに紹介した5冊はどれも、初心者にとって最初はとっつきにくいものであるかもしれません。しかし、組織マネジメントの基本を知るには外すことのできない重要度の高い書籍です。手軽な入門書やベストセラー的な身近なビジネス書からだけでは決して知ることのできない組織マネジメントの真理を、自己の知識として確実に身につけ現実の世界で役立たせるためにも、ぜひ読んでいただきたい5冊なのです。【関連記事】