リーダーの共通項など存在しない

リーダーの基本的要件を整理すること自体、意味をなさないと捉えるのはドラッカーらしい

リーダーの基本的要件を整理すること自体、意味をなさないと捉えるのはドラッカーらしい

経営の神様と称されるピーター・ドラッカーの著作にはリーダーシップを扱う本はありません。なぜなら、ドラッカーはリーダーの基本的特性の共通項を探し出すことなど不可能だと考えているからです。つまり、リーダーは十人十色。実際主義者である彼によれば、共通項を括り、議論すること自体が時間の無駄と考えていたようです。

要約すると、以下のようにドラッカーはリーダーシップを捉えています。

まず、「リーダーの性格」「リーダーシップ・スタイル」「リーダーの特性」などというものは存在しない。半世紀の間に彼が出会って一緒に仕事をした非常に優秀なリーダーたちを整理すると以下のようになります。

・自分のオフィスにこもりっぱなしの人もいれば、非常に社交的な人もいた。
・好人物(それほど多くはなかったが)もいれば、堅物もいた。
・考えるより先に行動する人もいれば、何度も何度も考え直して一向に結論を出さない人もいた。
・温かい人柄ですぐに気の合う仲間になる人もいれば、いつまでもよそよそしい人もいた。
・家族のことまで話してくれる人もいれば、目の前の仕事以外いっさい話さない人もいた。
・仕事に悪影響を及ぼすわけではないのだが、鼻持ちならないほど自惚れの強い人もいれば、やはり仕事に差し障りはないのだが、極端に控えめな人もいた。
・まるで砂漠に住む世捨て人のように質素な私生活を送る人もいれば、派手で遊び好きで事あるごとに大騒ぎする人もいた。
・聞き上手な人もいれば、一緒に仕事をした中で群を抜いて優秀ではあったが、自分の心の声にしか耳を傾けない人もいた。

まさに十人十色で、彼が出会った優秀なリーダーたちに共通する唯一無二の特徴は、彼らがある一つのものを持っていないということです。彼らは「カリスマ性」をほとんど、あるいは、まったく持っていませんでした。彼らには「カリスマ性」という言葉も、それを体現するのも、まったく必要なかったのです。

リーダーシップの特性や基本的要件については著名な学者やコンサルタントが整理されていますが、ドラッカーの意見が現実に近いように思います。