マンション購入術/マンション情報収集術

空き家率の上昇で、マンション立地の選び方が変わる?!(2ページ目)

2013年の日本の空家数は、総世帯数に対して13.5パーセントの空家率(総務省 住宅統計調査)となり過去最高となりました。人口減少に伴い、今後も空家は増加することが予測されています。これからのマンション立地選び、どう考えたらよいでしょう?

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

衰退しにくい街を見分ける

一つ目は、衰退しにくい街を見分けることです。そして街とは自宅もしくは最寄駅を起点に徒歩30分圏あるいは気軽に自転車で外出できる範囲というのが目安です。また、人口減により、将来にわたり発展し続ける街は極めて少ないため、せめて今より衰退しない街を見分けることが必要です。

そのための視点は3つあります。

1、オフィス集積地から乗車時間20分、ドアツードアでも30分以内にある街
住宅地は徐々に都心部へ向けて収縮しはじめています。すでに地方都市ではコンパクトシティ化が進んでいます。職住近接が可能なより利便性の高い立地であれば、人口現による需要減にも対応できる可能性があるということです。

2、遊・学・働・医・住の機能が充実している街
住宅だけの街には居住目的の人々しか集まりません。オフィスだけの街であれば、働くことを目的とした人々しか集まりません。単一機能しかない街はそこに集まる人を限定してしまい、街としての広がり、つまり発展には限界があるのです。できるだけ多機能な場や機会があれば、それを目当てに多様な人々が集まって来て、更に集まる人を目当てに新たな機能が付加されるという相乗効果が生じ、街は充実していき、衰退の速度が遅くなります。

3、幅広い年代層の人々が集まる街
住む人、働く人など色々な目的で集まってくる人の多様性だけではなく、子どもから高齢者まで多世代が集まる街であることが重要です。特定の世代しか集まらない街は限定的で広がりをもちません。人の新陳代謝がうまくいかず、必ず衰退していきます。長年、住んでみたい街で人気ランキング上位にあがる、吉祥寺や横浜などは、どの年代層からも支持されているのです。

これらの視点は私が運営するマンション評価ナビの評価の視点でもあります。

でも、この条件に合った街だからといって、30年、50年と長い間、街の活力が保てるかというとそうではありません。将来、最先端の魅力ある再開発により別のところが活力のある街に生まれ変わると、人々の視線はそちらへ向かい、かつて人気のあった街は相対的に精彩を欠き、徐々に立地の魅力や価値が低下していきます。

つまり、魅力ある街は流動的なのです。東京圏を見渡すと、六本木ヒルズや東京ミッドタウンの開発でひところ六本木が注目されました。現在は五輪効果で晴海を中心とした湾岸エリアが、更には山手線田町、品川間の新駅周辺というように、次から次へと注目の街は今後も移り変わってくるのです。


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