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日本の馬はなぜ凱旋門賞を勝てないのか?(4ページ目)

競馬ファンのみならず、日本中の期待を背負って凱旋門賞に出走した日本の最強馬3頭が惨敗を喫した。これまで2年続けてオルフェーヴルが2着に健闘していただけに、今年こそはと期待されたが、結果は勝ち馬の影さえ踏めぬ大敗だった。ドバイのG1では何頭もの日本馬が優勝しているが、なぜ凱旋門賞は勝てないのか。その鍵はフランス競馬の正体にある。

松井 政就

執筆者:松井 政就

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舞台設定が変わっても作戦を変えなかった日本陣営

ロンシャン競馬場は、凱旋門賞の前になると、コースの内側の芝を保護するための仮柵が外される。そのため、凱旋門賞では内側ほどコンディションの良い芝を走ることができる。

従って、凱旋門賞で勝つためには、レース終盤まではできるだけ内側で我慢し、体力のロスを最小限に抑え、最後の直線で瞬発力を爆発させることが絶対条件となる。

その上で、さらに他馬より有利になるよう、レース中に巧妙な駆け引きを仕掛けなければならない。

小差が大差を生む

トップレベルの馬と騎手が競うため、レース中のほんの僅かな位置取りの差や、駆け引きにおいてほんの一瞬後手を踏んだだけで、ゴール前は大差が付いてしまうのが凱旋門賞というレースだ。

日本人はとかく「自分の力を全て出し切ることが大切」という考え方をしがちだが、フランス競馬に挑戦する以上、その考え方は命取りだ。

なぜなら、フランス競馬では自分の力を出し切ることだけでなく、「敵に力を発揮させないこと」が求められるからだ。

馬が強いだけでは勝てないのが凱旋門賞

今回の凱旋門賞で、日本馬はともに後方待機を強いられ、1頭は内側で包まれたまま終わり、2頭は馬群の外を回らざるをえなかったが、それは日本人騎手の巧拙というよりもむしろ、フランス人騎手たちの巧妙な駆け引きによって、そのようにし向けられた結果だったと言えるだろう。

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