
縁がギザギザした、いわゆる「ギザ十」が、2026年4月11日に終了した第127回入札誌「銀座」で14万5625円の高額で落札されました。一体なぜなのでしょうか?
現行の10円玉が高額落札
現行の10円玉には側面がギザギザしているものがあります。いわゆる「ギザ十」です。ギザ十は、昭和31年を除く昭和26年から昭和33年に発行されたものに見られます。当時は銅の価格が高かったこともあり、10円玉が削られてしまわないようにするための対策だったようです。
しかしその後、50円玉や100円玉にもギザギザがついたことで、手触りで判別が難しくなったため、10円玉からギザギザはなくなり、側面はつるつるになりました。
そんな経緯のある現行の10円玉ですが、2026年4月11日に終了した第127回入札誌「銀座」では、12万5000円(手数料込みで14万5625円)で落札されたのです。一体なぜ、高額落札となったのでしょうか?
昭和26年、昭和32年、昭和33年のギザ十の価値が高い

今回落札された10円玉は昭和32年発行のギザ十です。まず、ギザ十の中で価値の高いものを発行年から確認しましょう。ギザ十の中でも価値が高いといわれるのは、昭和26年、昭和32年、昭和33年発行のものです。
昭和26年はギザ十の最初の発行年です。また、ほかの年号では1億枚以上発行されているのに対し、昭和32年は5000万枚、昭和33年は2500万枚と発行枚数が少ないことも、高価値となる理由の1つです。
次に、いかに当時のままのものが残っているかという観点が重要となります。通常10円玉は使われるほど輝きが失われ光沢感などはなくなっていきます。一方、完全未使用のものは当時のまま光沢を残しています。古い貨幣ほど完全未使用で残っているものは少なくなるため、高い価値を生むことになります。
今回オークションで高額落札された10円玉は、2点とも条件を満たしています。しかもコインの鑑定機関であるPCGS(Professional Coin Grading Service:世界でも評判の高いアメリカの第三者格付け鑑定会社)のスラブケースに入っており、「MS66RD」の評価を得ています。
「65~70」は完全未使用とされる評価です。すでに発行から70年近く経過している通常貨幣ですから、65以上の評価となるのはそう多くありません。評価が1つ上がるだけで価格は大きく異なってきます。
しかも「RD」評価は、銅貨の元の赤色が95%以上である場合に付加されます。銅貨の色は、RD、RB(元の赤色が5%以上~95%未満)、BN(元の赤色が5%未満)で評価され、RDは古いものになるほどなかなか付かない最上級評価といってよいでしょう。そのため、14万5625円という高額落札になったといえるのです。
ギザ十はおつりでもらえることもあり得る
こんなにきれいなギザ十は、収集家でなければ保管されているケースはほとんどないといってよいかもしれません。そのため、数十万円になりそうなギザ十を探すのは困難といえましょう。とはいえ、ギザ十自体を探すことはそんなに難しいことではありません。
なぜなら、現在も一般に使用されているからです。おつりでもらう10円玉に、ギザ十が混じっていることもあります。そのため、発行年からお宝を探すことは可能です。使用感のある10円玉でも数百円といった価値となる場合があります。
おつりを受け取ったらギザ十がないか探すだけでも、日々の生活にちょっぴり幸せをもたらすのではないでしょうか(筆者だけではないはず)? キャッシュレスが普及する中、あえて現金払いでおつりを受け取る楽しみを得てみてはいかがでしょうか。







