文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
原油価格のニュースでよく聞く「バレル」。1バレルは、いったい何リットルなのでしょう。また、ガロンという単位とは、どう違うのでしょう。わかりやすく解説します。


1バレルは何リットル?

ガソリン
なんと、原油の1単位というのは酒樽1つ分!
1バレルは約160リットル弱です。正確には、158.987294928リットル。アメリカやイギリスなどで使われているヤード・ポンド法による体積の単位です。

2007年秋以降のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、原油先物相場は1バレルが100ドル目前となっています。約160リットルの原油が100ドル弱、つまり1万円ちょっとで取引されていると報道されているというわけです。

※編集部注:2016年1月時点の原油先物相場は1バレル=30ドル前後。約160リットルの原油が30ドル前後、つまり3540円で取引されているイメージです(1ドル=118円で計算)
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なぜ原油の単位は「バレル」で表わすの?

石油用の1バレルは、42ガロンに相当します。ここでのガロンは、米液量ガロンという単位を用います。しかし、ガロンにもいろいろなガロンの定義があります。これについては後述することにします。

では、なぜ42ガロンを1つの単位としているのでしょうか。昔、アメリカのペンシルバニア油田では、原油を樽に詰めて運搬していたので原油の単位を樽で数えていた、その名残のようです。1バレルが、お腹の膨らんだ、あの一般的な酒樽1つ分の量です。実際にはもう少し多くの量が入るようですが、運んでいるうちにもれたり揮発したりして、最終的には1樽で42ガロンが運ばれたそうです。これをリットルに変換すると、約160リットル弱というわけです。

日本人にとっては、「1リットルいくら」という表現の方が分かりやすいかもしれませんが、アメリカではヤード・ポンド法が主流なので仕方がありません。原油の採れない日本の言い分は通りませんね。

現在、国際的には原油や石油製品は、バレル単位で量ることになっています。ところが、じつはバレルの定義というのは、国によっても、中身によっても違うのです。


じつはバレルの定義はいろいろ

ガソリン
「バレル?」「ガロン?」「リッター?」混乱しますよね!
じつは、アメリカとイギリスでは、1バレルの量が違います。さらに、アメリカでは何を量っているかによっても、1バレルの量が違うのです。

アメリカでの石油用の1バレルは、前述のとおり42米液量ガロン(約159リットル)ですが、その他の用途を量るときには一般液量バレルというものを使い、この場合の1バレルは31.5米液量ガロン(約119リットル)です。また、穀物や野菜を量る際には標準乾量バレルという、105乾量クォート(約116リットル)で1単位になる計量単位がありますし、小麦粉や肉などの質量を量る際には、また違うバレルの定義があります。

イギリスでの1バレルは、36英ガロンで、リットルに換算すると約163リットルになります。


では、ガロンって何?

「1バレルが42ガロン」と言われると、次に気になるのは「ガロンって何?」ということでしょう。さらにここまでで「米液量ガロン」とか「英ガロン」という単位が出てきました。ガロンとは、一体どんな単位なのでしょう。

ガロンも、バレルと同じヤード・ポンド法です。あえて違いを明確にするならば、バレルが液体などの量すなわち体積を表わすのに対して、ガロンは、それを入れる容器の量すなわち容積を表わす単位だという点です。

ガロンという単位も、バレルのように国や用途によって、いくつかの異なる定義があります。

イギリスでは、10ポンド(約4.5リットル)の水の体積を1英ガロンとしています。アメリカでは、米国液量ガロンという液体用のガロンと、米国乾量ガロンという穀物用の2種類のガロンが存在します。米国液量ガロンは約3.8リットル、米国乾量ガロンは約4.4リットルです。

もともと、イギリスでも量るものによってガロンの定義は違っていました。昔のイギリスでは、ワインガロン、ビールガロン、穀物ガロンという3種類のガロンがあったそうです。ガロンを定義する時にアメリカではワインガロンを採用し、イギリスではビールガロンを採用したことが、米ガロンと英ガロンの違いになったといわれています。

アメリカでは、ガソリンを量る場合に米国液量ガロンを用います。原油の取引は液量バレルという単位を使い、ガソリン販売には米国液量ガロンという単位を使っているために、慣れない日本人が聞くと「?」と思うのでしょうね。

【関連サイト】
『原油の先物価格って?WTIって何?』
『ガソリン価格はどこまで上がるのか?』(All About“世界のニュース・トレンド”ガイドサイト)
『「原油価格」はなぜ、上昇を続けるのか?』(All About“よくわかる時事問題”ガイドサイト)