原因が異なる便秘の種類
普段何気なく考えられている便秘。そもそも便秘とはどのような症状を指すのでしょうか。一般的には、排便が順調に行われない状態のことをいいます。と言っても、個人差があり目安としては、排便の回数が少ない、残便感や腹部が張った感じがする、便量が減少、うまく出せないなどの状態が組み合わさった状態と考えられています。便秘が慢性化していませんか?
例えば3日に1回程度でも、それが長年の習慣で苦痛を伴わないようであれば、便秘とは定義されません。逆に1日置きでもお腹が張るなど不快感がある場合は、便秘と考えられます。便秘のタイプは、大きく分けて「一過性便秘」と「常習性便秘」に分けられます。
「一過性便秘」の中でも多い「緊張性便秘」は、大腸の運動が自律神経に支配されていることが原因で起こります。自律神経は感情に密接に関連しているので、精神的なストレスを感じると大腸の本来のリズムが乱され便秘になりやすくなります。また旅行などによる環境の変化から起こる便秘も一過性のため、原因が分かれば比較的自然に収まるのが特徴です。
「習慣性便秘」は、生活習慣や食生活が原因として発生し、便秘の中でいちばん多いと言われています。中でも女性に多いのが「弛暖性便秘」で、便意はあるのにお腹が張る症状です。これは、女性は男性に比べ腹筋が弱く、大腸の運動と緊張が低下し、便の通りが悪くなるため。またお産を繰り返して腹筋がゆるんでいるようなときも、起こしやすくなります。
女性のほうが便秘になりやすい理由
女性が便秘になりやすい理由は様々ですが、まずその1つとして筋肉量の差が挙げられます。上記の弛緩性便秘で述べたように、お腹周りの筋肉の量が少なくしっかりと腸を働かす力が弱いためです。また生理の影響も強いでしょう。排卵後~月経前には「黄体ホルモン」という女性ホルモンが多く分泌され、腸内で水分を積極的に吸収しようとします。そのため便の水分が奪われて硬くなってしまいます。さらに黄体ホルモンは、子宮の筋肉の収縮を抑制する効果も。これが腸にも影響し、腸のぜんどう運動が低下することで排便しにくくなります。
最後に無理なダイエットも大きな理由の1つです。食事の量が少なすぎると、排便のための腸の働きが起こりにくくなってしまいます。また腸を刺激する脂質を摂らなかったり、食物繊維の摂取量が少なかったりすることも排便を妨げます。せっかくのダイエットも、正しく排泄が行わなければ健康を損なってしまうので気をつけるようにしましょう。