実際に高低差のある街を歩いてみる
今回の四天王寺界隈の「高低差のある街並」の取材は、東京スリバチ学会と大阪高低差学会、二つの団体の合同フィールドワークに帯同させていただいたものです。東京のスリバチ地形(スリバチのそこのようになっている部分)好きと大阪の高低差好きが数十人集まり街を大阪の街を練り歩きました。集合場所はJR、地下鉄、近鉄「天王寺」駅下車すぐの天王寺公園。天王寺のようなターミナル駅の隣接に自然を感じられる大きな公園があるというのは関西ではあまり例がありません。
この天王寺公園、中には上町台地の台地部分/平地部分の境界が雑木林のようなガケ状の土地で確認できたり、和気清麻呂が上町台地を横切るように水路を通そうとした跡であると言われている河底池とその時の土砂を積んだと言われる茶臼山等、歴史的&地勢的興味をくすぐるスポットが点在しています。
天王寺公園内にある階段。左手の雑木林は上町台地のガケ部分となる。
河底池と右手(北方向)は茶臼山。向こうには通天閣が見える大阪的風景。
南東方向には「あべのハルカス」がみえる!
茶臼山を下りるフィールドワーク参加者一行。
在日コリアンの寺院でありベルリンの壁が設置されている統国寺、「一生に一度のお願いを聞いてもらえる」といわれる堀越神社を通り過ぎ、今も旧道として残る庚申街道の名前の由来となる庚申堂界隈へ。周辺は2~3階建ての家屋が居並ぶ静かな住宅地。ターミナル駅から5分もかからない場所には見えません。
茶臼山側から公園を出た街並み。露店が点在。
敷地が道路より高くなっている部分に注目し写真を撮る人も多かった。
注意してみると高低差の多くあるエリアであることが良くわかる。
往来の人は、写真を撮る意味がわからず不思議に思うことであろう。
庚申堂の前で中高住宅のオープンハウス発見。
「庚申こんぶ」のお店。参拝客に向けた店舗も多い。
商住混合の街並み。建物の高さも平屋から中高層まである。
「天王寺」駅を周辺をすこし歩いただけで、様々な「地形的引っ掛かり」があり、遅々として進まないフィールドワークの一行。次ページでは、四天王寺方面へと向かってまいります!