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北村明子『To Belong / Suwung』インタビュー!(5ページ目)

青山を舞台にしたダンスの祭典Dance New Airで、新作『To Belong / Suwung』を発表する北村明子さん。『To Belong』は2010年にスタートした長期プロジェクトであり、ダンスに映像、音楽とジャンルを越えたアーティストたちによる国際協働作品です。ここでは、北村さん、音楽監督の森永泰弘さん、ドラマトゥルクの山田咲さんにインタビュー。作品の成り立ちと創作法、今後の展開についてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

バレエガイド


Suwungをもとに、ダンスはどのように創作していますか?

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(C) TOKIKO FURUTA

北村>身体の動きは残らないので、踊りということ自体が多分幽霊みたいなもの。観るひとと踊るひとの間で何となく捉えられるものであり、明確ではありながら曖昧に残らないものというのが私はダンスだと思っていて……。

でも結局のところ、ダンサーとのやりとりは具体的な作業になってくるんですよね。動きをつくる上でキーワードはきっちりおさえていくけれど、動きが言葉の説明になる訳ではない。動きを先につくってからそこに考えがあったり、考えが先にあって動きがあったり。

動き自体はダンサーたちの身体から出て来るボキャブラリーがまずメインになってきます。例えばリアントさんだと、彼がやっている伝統舞踊の要素にバリエーションを加えていったり、そのまま使いながら違うように見えるにはどうしたらいいかと考えたり。日本人ダンサーの場合、見えないものに引っぱられたり、それをとらえようとしたりする、というテーマからまず動きを出し、その動きに対し
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(C) TOKIKO FURUTA

てバリエーションをつくっていく。

ダンスのジャンルにしても、特にこだわる必要はないと思っています。私が出すのは非常に抽象的な動きで、ダンサーとの間でそこに色付けをしていく感じ。日常的な動きから始めるダンサーもいるし、伝統舞踊から出発する方もいる。これまで培ってきたものだけではできない部分があって、ダンサーに武術のワークショップを受けてもらうこともある。伝統舞踊や武術をちょっとお借りしながら、ダンス的にどう発展できるか模索しているところです。

山田さんにも稽古に立ち会っていただいていますが、ダンスの内側にいな
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(C) TOKIKO FURUTA

いひとの印象ってすごく面白い。自分が“あれは使えないな”と考えてるものを“ここが一番面白い”と言われたり、自分が“コレはいける動きだな”と思っていると、“何だかわからない”と言われて、なるほど視点が違うんだなと感じたり。感情移入する場所が違っていて、それが私の中で考えるときのバランスだったり、ひとつのブレーキになってる。また何故そう感じられるのかと改めて聞いてみると、“ああなるほどね”というような、思ってもみなかったことが結構あって。はじめての観客のような形で外からの意見をもらったり、それを踏まえながら進めています。

山田>ドラマトゥルクの立場としては、ひとつひとつの動きについてはタッチせず、外から全体の流れを見ています。私はやはり言葉で捉えなおしていくタイプなので、北村さんからのキーワードをもとに、稽古で見ている印象、言葉にならないものをまずは対応させる。そこで納得できないところは話をしたりと、自分なりに受け止めていく感じです。

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(C) TOKIKO FURUTA



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