栄養管理/栄養管理の基礎知識・食事バランスガイド

アラフォーからはじめる「大人シンプル食ライフ」

食事のバランス悪い日は体もだるいし、頭の回転も悪いし、気分がすっきりしない……なんてことありませんか。アラフォーがもっとスマートに暮らすための「大人シンプル食ライフ」をやってみましょう。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

アラフォー世代は職場や家庭など、それぞれの立場で忙しい時期だと思います。心身の無理が効かなくなるため、食べ過ぎや食事のバランスが悪いと体がだるくなり、気分が晴れなかったりすることもあるでしょう。ただ一方で、生活のリズムが安定してくる頃でもあり、きちんとした食事をするとそれだけの成果が期待できる世代です。そこで、体にやさしい「大人シンプル食ライフ」を取り入れてみませんか?

パン・パスタ・麺・ご飯などの主食をシンプルに

麦ごはん

麦ごはん

主食に調理パン・インスタント麺・加工済みごはんをよく食べる人もいれば、シンプルな雑穀パンや雑穀米を選んでいる人もいると思います。頻繁に食べるからこそ、質の高いものを選びたいものです。主食は炭水化物を多く含み、活動のエネルギーや成長にとても重要ですが、私たちは育ち盛りではなくアラフォーです。残念ながら走り回ることも少なく、主食をがっつり食べる必要はありません。

お芋

お芋も主食にいかがでしょうか。

精製された炭水化物(白パン、白米など)は、カロリーが十分に取れている現代人にとって栄養価が低い食べ物です。白パンや白米は、ジャムやマーガリン、ふりかけや漬け物などとよく合いすぎるのもアラフォー世代にとってはプラスになりません。日本人が不足しやすい食物繊維は、主食を雑穀パンや麦ご飯に変えることで、かなりの摂取量アップが期待できます。

主食というと、ご飯や麺、パンなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、 栄養学的にはさつまいも、ジャガイモ、とうもろこしなどを取り入れると、摂取できる栄養素の幅が広がります。なんとなく食べるのではなく、栄養も考えて食べることがアラフォーにはプラスになります。

野菜やたんぱく質の豊富なものを加えて大人な食事に

野菜

グリルした野菜もおいしい!

ご飯が進むおかずはアラフォー世代に必要ありません。体内の炎症を抑えたり、老化を遅らせて体を元気にするために、カラフル野菜、豆、卵、魚、脂身の少ない肉などの基本的でシンプルな食材を、シンプルな調理で楽しみましょう。

職場や家庭において1人で昼食を食べる場合には、ご飯や麺だけにならないようにしたいものです。適当にもらったお菓子で食事を済ませたり、インスタント麺でさっと済ませてしまうと、体にマイナスな上、プラスになる食べ物を摂る機会も逃すことになるので、ダブルでマイナスになってしまいます。私たちの体は食べ物から出来ているとも言えます。アラフォー以降は特に体作りの材料の質に注意するべきです。

飲み物をシンプルに

スーパーでは多くの種類のドリンクが売られていますが、私は基本的に飲むものは水、お茶、コーヒー、お酒少々……と決めています。アラフォーは甘い飲み物は栄養学的に必要ありません。必要が無いどころか、生活習慣病の一因になるかもしれません。

甘い飲み物には、ハイフルクトースコーンシロップ(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖など)が多く含まれるものがあり、最近女性に増えているといわれる痛風発症に関連していることも報告されています。今までは、ダイエットや美容のために食事に気をつけていた人が多かったかもしれませんが、生活習慣病も気にするべき世代になってきました。お茶やコーヒーなど、昔からあるシンプルなドリンクは、おいしいだけでなく健康効果も期待できます。

食感をシンプルに

私たちの周りにはハイテクな食品がたくさんあります。食感にしても、ふわふわ、パリパリ、カリカリ、もちもちなど、すごい加工技術を駆使したものが見られます。しっとりしてるのにいつまでもカビが生えない、分離せずにいつまでもなめらか、いつまでも湿気らないなど、便利な食べ物が多いと思います。

例えば、健康によくないとされるトランス脂肪酸はパリパリ、サクサクの食感を長持ちさせます。消費者が便利で長持ちする安価な食品を望む限り、食品会社はその要望に答えると思います。もしかすると、本来の食べ物の性質をすっかり忘れてしまっている人もいるかもしれません。ハイテクな食べ物はほどほどにし、本来の食感を探してみませんか。

調味料・ドレッシング・スプレッドをシンプルに

見た目は醤油なのに中身は醤油風調味料だったり、見た目は蜂蜜なのにほとんど蜂蜜が入ってないものなどがあり、安くてもなんだか騙された気分になることがあります。市販の調味料は食品ラベルをちゃんとチェックしたいものです。ドレッシング、ジャム、バター、めんつゆなども同じです。食品ラベルの材料があまりにも長かったり、意味不明なものが並んでいる場合は控えたいものです。私たちの体の材料は食べ物です。アラフォー世代は次の世代のためにも、シンプルなものを選びたいですね。

調味料やドレッシングは本などを参考にして自家製を作るものよいと思います。自家製の調味料やドレッシングは、原材料がシンプルだけなく、質のよい油や健康効果のある薬味などを使うことで、体にプラスなものを足すことができます。料理の味もぐんとアップすると思います。

調理をシンプルに

時間のかかる調理や色々な調味料を組み合わせるのが、かっこいい料理だと思っていましたが、最近は食材の味がはっきり分かる程度の調理とシンプルな味付けがよいと思うようになりました。シンプル料理は時間もあまり掛からないので、一石二鳥です。

塩と油、醤油と油、醤油とレモン、蜂蜜と油と酢、砂糖と酢、味噌と酢、味噌と油と薬味、塩とスパイスと油など、シンプルな味付けでもたくさん組み合わせがありますね。上にも書きましたが、自家製の調味料のレパートリーがいくつかあれば、シンプル食ライフの幅がひろがります。

おやつもシンプルに

 おやつもまた、ハイテクなものが多いと感じます。スナック菓子、焼き菓子、プリンやアイスクリームなどの冷菓など、研究された食感で、日持ちするものが多いと思います。残念ながら、アラフォー世代は栄養学的にはおやつを食べる必要はありません……。

食べる場合は、気持ちを満たすために食べるのか、それとも小腹を満たすために食べるのか、その目的別に分けたほうがよいと思います。気持ちを満たすためであれば、こだわりのある美味しいおやつを美味しいお茶と供に楽しんでもよいし、小腹を満たすためならば、シンプルに果物やヨーグルトなど、プラスαの栄養があるものを食べるとよいでしょう。セールで買った大袋入りの安いおかしを、テレビやパソコンを見ながらダラダラと食べるのは、大人なら控えたいところです。

ストレスの無い程度のシンプルで

アラフォーくらいになると、こだわりたい部分とそうでない部分が割とはっきりしてくるのではないでしょうか。優雅でオシャレなホームメード生活にひそかに憧れたりしますが、そんな甘い暮らし存在しないことも分かっています……。あんまりシンプルを追求しすぎて、生活が窮屈に、ストレスになっては意味がありませんので、そのあたりは現実的にバランスを上手くとりたいところです。適度に手を抜いたシンプル食ライフを目指しましょう!


今日からできそうな事をチェックしてみましょう。
□パンやご飯などの主食はシンプルなものを
□野菜やたんぱく質を取り入れて大人の食事を。割と自由が効く昼食は特に重視
□スーパーで調味料を買う時は、食品ラベルを見て原材料がシンプルなものを
□食材の味が分かる、シンプルな調理を
□おやつは食べるならこだわりを
□飲み物をシンプルに
□適度に力を抜いたシンプル食ライフを
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