ウォッカだけじゃない! ロシアの定番ビール“バルチカ”

バルチカ

ロシアの定番ビール、バルチカ#3

ロシアといえばウォッカのイメージも強いですが、実はビールも非常に人気があります。ロシアのビール会社といえば、バルト海に面した港町サンクトペテルブルクに本社を置くバルチカ社が最も有名。ロシアのビールのシェアの約4割を占め、社名を冠した「バルチカ」ビールは、レストランでもよく見かけるメジャーブランド。バルチカとはバルト海の意味です。

「バルチカ」ビールは、0~9番まで番号がついており、それぞれ味わいが違います。数字が大きくなるほどアルコール度数も高くなります。各数字の意味は以下のとおり。(※#1のライトは今はバルティカライトという別シリーズで展開。#10以降の数字も限定販売などで使われたことがあります)。

#0 ノンアルコール
#2 ペール
#3 クラシック
#4 オリジナル
#6 ポーター
#7 エクスポート(輸出用)
#8 小麦のビール
#9 ストロング(アルコール度数が高め8%)

最も伝統的なのは、1992年に発売された#3のクラシックビール。アルコール度数は4.8%未満と一般的なビールと同等。クリアなゴールドの色をしているのでライトな味わいを想像しますが、飲んでみると意外に味にパンチがあります。さっぱり軽い口当たりながら、ホップの苦味や麦芽の味わいがしっかり感じられます。

 


ロシア=ウォッカはまちがい?

モスクワの街並み

モスクワの街並み。暑い夏ならビールも旨い!

ロシアといえばウォッカ、というのは誰もが思い描く定番イメージでしょう。たしかに、夕食のときにウォッカをストレートで飲む人もいるし、宴会では“注がれたウォッカは残さず一度で飲み干さなければならない”なんてルールもあります。ただ、ロシアの人たちにとってもウォッカはちょっと特別な存在。ウォッカは宴会などで飲むことが多く、日常的に飲むのはビールという人が多いのです。

数字で見ても明らかです。ロシアは世界有数のビール消費国で、国別のビール消費量は世界第4位。国民一人あたりでも世界17位(74.1リットル)で、日本(43.5リットル)の約1.7倍にも上ります(出典:「キリンビール大学」レポート2012年)。

モスクワにはビアバーやパブも増加中。ロシアの人たちはサッカーを観るのが好きですが、スポーツ観戦ができるようなパブでは、観戦のお供はビールが定番です。また、モスクワではここ数年日本食ブームなので、日本のビールもポピュラー。かつては寒い国のせいか、キンキンに冷やしたビールはなかなか出てこなかったようですが、最近は冷たいビールも飲めるようになってきました。ちなみにバルチカ社は、2008年からはアサヒビールとライセンス契約も締結し、「アサヒスーパードライ」の生産・販売もおこなっています。

 

数年前までロシアではビールはジュースだった!?

実は、ロシアでは数年前までビールは事実上、清涼飲料水という扱いでした。しかし、さすがに今の時代にそぐわないと考えられたのでしょう。2011年に法改正がおこなわれ、飲酒に関する規制の対象がアルコール度数12%から0.5%まで引き下げられました。以前は公園などでビールを飲む若者の姿も見られましたが、今は公共の場所における飲酒はビールも含めて全面禁止になっているので旅行者も要注意です。ちなみにロシアに限らず、公共の場所で飲酒を禁止している国は結構ありますね。ロシアではアルコール依存症の人が多く、トラブルも多かったため、アルコール消費量を減らす目的で、このような措置にふみきったようです。

そんな歴史もあって、ロシアの人にとってビールは言葉どおり水やジュース感覚。スーパーでは500mlが100円以下で買えるし、レストランやカフェでも水より安く飲めることもあります。モスクワなどでは夏季限定でオープンテラスを出す店も多いので、ぜひ旅行の際は短い夏を感じつつ、ビールで一息ついてみては?
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