「プラウドタワー立川」分譲坪単価@324.5万円
まずは物件概要を簡潔に説明しよう。交通アクセスはJR中央線「立川」駅徒歩2分。地上32階建て、総戸数319戸(分譲対象292戸)の分譲マンションである。専有面積は55.01~108.00平米、第1期は230戸を販売する。価格は5,248万円~1億6,598万円、最多価格は7,300万円台。平均坪単価は@324.5万円。都心城南エリアと肩を並べるほどの設定といえよう。値付けの根拠を列挙してみよう。まず、駅前であることに加え、将来新設される新たな「西口」から歩行者デッキでマンション入口まで直結となる。建物は(形状としては)板型で、南に圧倒的に間口が広い。北側はエレベーター(またはEVホール)や共用施設を寄せているため、住戸の南向き比率が高い。階高は3.3m、天井高は2.6m。さらに住戸自体の間口も70平米台で約8m前後以上と、全戸ワイドスパンを実現。バルコニーが全面に付き、洗濯物を干すこともできる。
分譲対象フロア(住戸)は9~32階である。1~7階は商業、公共施設が入る。そのため下層部の天井が高く、9階部分の高さ(約37m)は、通常のマンションの13階程度に相当する。ということは、マンションの分譲価格も13階以上の設定が全体平均となるわけで、認識の調整が必要。
立川の位置づけ
さらに前提として、立川のポテンシャルについての理解が欠かせない。「立川駅周辺の商圏」は、まずJR中央線、南武線、青梅線、多摩モノレールの4路線が集結するターミナル駅としての交通利便性の高さ、次に東京都の人口約1300万人のうち、その3分の1にあたる「約400万人が住む」多摩地区の中央に位置すること。この2つのロケーションとしての特長を把握しなければならない。実際、伊勢丹、高島屋といった老舗デパートに加えて、「IKEA」(2014年)や「ららぽーと」(2015年予定)といった近年人気の商業施設まで進出するほど。そもそも、昼夜間人口比率も100を超えている(2010年調査で113.1%)。ちなみに23区でも100を超えている行政区分は千代田区1,738.8%を筆頭に、中央区、港区が400%台。新宿区、渋谷区が200%台、文京区、品川区、豊島区、台東区、墨田区、江東区、目黒区までが100%超で計12区。残りの11区は100未満。さらに約180haもの広大な昭和記念公園があることから、「住」「働」「憩」の価値が提供できる街と捉えることができる。つまり、「郊外の駅前」ではなく「郊外都市の中心地」と理解すべきなのだろう。
昨今の相場感覚
アベノミクス以後、首都圏のマンション相場は変動している。常に感覚を修正しながら、実際の市場をキャッチアップしなければならない。ただし、売れ行きもあわせて確認することが重要だ。「プラウドタワー立川」記者発表会では、同社がここ数年分譲した現場の価格が共有された。以下の通りである。「立川」駅徒歩5分@285万円(2007年)、「武蔵小金井」駅1分@340万円(2007年)、「三鷹」駅3分@394万円、「荻窪」駅徒歩5分@380万円。西武池袋線「大泉学園」駅前タワー@296万円(2013年・即日完売)。他エリアでは赤坂@420万円(1ヶ月完売)、目黒本町@350万円(即日完売)、恵比寿@440万円(即日完売)。今後同社では、白金台3丁目(83戸・定期借地権、うち70戸が1億円超)、自由が丘(31戸、専有面積72~112平米)などが販売を予定している。
【関連記事】
2014年9月以降、販売予定の注目プロジェクト