完全母乳でなくても自分を責めないで
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筆者が赤ちゃん訪問を行う際に「産後うつ」のスケールである「エジンバラ評価表」を取っていると、母乳不足や乳腺炎などの授乳のストレスで点数が増えて、うつ傾向になる方も見られます。
実母など周囲からの「母乳じゃないと免疫がないのよ」「なぜ母乳が出ないの?」「私が出たから、あなたも出るはず」などといった何気ないひと言や、医療従事者からも「ミルクだと太りやすいのでなるべく母乳をあげるように」といった、ミルク育児のママを傷つける発言も数えあげたらきりがありません。
母乳の割合は10年前に比べて増えている
平成27年度の厚労省の乳幼児栄養調査によると、母乳栄養の割合は10年前に比べて増加し、生後1ヶ月では51.3%・生後3ヶ月では54.7%となっています。また混合栄養でも、生後1ヶ月で96.5%・生後3ヶ月で89.8%であるという報告があります。出産後1年未満で就労しても、49.3%と約半数のママが帰宅後や休日など頑張って母乳育児を継続している様子が伺いしれます。母乳が継続できる周囲の理解や環境が許されれば、復職しても断乳せず母乳育児は継続できます。
ミルク育児にもよいところがある
- 預けやすい
- 腹持ちがよいのでよく寝てくれる
- 母乳だとうんちの回数が多く、おむつかぶれになりやすいが、ミルクだとまとめウンチになるので、おむつ交換が楽
- 公共の場でもミルクを与える事は抵抗がない(周囲への配慮)
- パパの育児参加が出来、授乳時間を共有できる
- 乳頭トラブル、乳腺炎などを回避できる
ママや赤ちゃんにとってミルクにもメリットがたくさんある!
などがあります。
ママにHIV(エイズ)HTLVー1(ヒトT細胞白血病ウイルス因子)がある方や、抗ガン剤などの強い薬を飲む場合、また赤ちゃんの体重の減少が顕著である、新生児黄疸が強い場合などは、医学的にミルクにする必要もあります。薬の服用については処方した医師や薬剤師に確認をとり、授乳しても内服可能かどうか確認しましょう。
※参考サイト 成育医療センター 妊娠と薬情報センター 授乳と薬のご相談について
>>風邪をひきやすい、アレルギーになりやすい…よくあるミルク育児の迷信は本当?嘘?