四国で女性客に人気を得たことをきっかけに、サークルKサンクス併設のカフェ「K's Cafe(ケーズカフェ)」が東京に初出店した。この取り組みは東京でも成功し、コンビニに新たな風をもたらすのだろうか。

写真はカフェ併設店舗ではありません

サークルKサンクスの挑戦


K's CAFEの仕組み

K's CAFEはコンビニに併設されているが、コンビニで購入した商品はカフェで食べることは出来ない。コンビニにはコンビニで購入したフードなどを食べるカウンターが別にある。カフェの方はカフェでフードを購入したり注文してカフェで食べてもらうというスタイルだ。

内装はゆったりしており、コンセントなども付いている。ターゲットにビジネスマンを狙っているのは明らかだ。価格についてはコンビニで購入出来るドリップコーヒーよりも割高の250円、ドトールやエクセルシオールカフェのようなカジュアルコーヒーショップと大差はない。

サークルKサンクスは何のために、このカフェを併設したのだろうか?
その話に入る前に、他のコンビニの状況をご覧いただきたい。

コンビニ各社との比較

コンビニ各社は魅力的な商品ラインナップを揃えるとともに、さまざまなサービスを取り込んでいる。宅急便はもちろん、クリーニング取り次ぎ、コンサートなどのチケット発券、住民票などの発行サービスなど。そして昨今目立つのはお惣菜やコーヒーの充実だ。

業界最大手のセブンイレブン。おにぎりを始めたり、おでんを始めたり、常にコンビニ業界をリードしてきた。そのセブンイレブンが力をいれているのがお惣菜だ。お惣菜を強化し始めたのは、働く女性や高齢者など、増加する需要を取り込むためだ。

また2013年には、ドリップコーヒーやアイスコーヒーが大ヒットし、その爆発的な人気によって、新聞や雑誌が発表するヒット商品番付にも名を連ねた。セブンイレブンはマクドナルドが運営するマックカフェ、他のカフェの顧客まで獲得した。味覚は人によって異なるが、コーヒーに代表されるようにセブンイレブンの強みは「商品の質の高さ」なのだ。

ローソンが始めたマチカフェ。ローソン店内にイートインスペースを設け始めたのは、店内の商品を気軽に試してもらうためだ。スイーツの充実だけでなく、店舗によって店内キッチンまであるのは、出来たての食事を提供したいからだ。

ローソンの場合、ドラッグストアを店内に設けたり、野菜などのお惣菜を充実させるなど生活全般のサービスをワンストップで利用することができる”地域生活の中心的存在”を目指しているのだ。このような戦略の中、ローソンがカフェスペースを設けたのは滞在頻度と滞在時間を多くするためだ。

このようにコンビニ各社がサービスを拡張して行く時には、目的が明確になっている。ではサークルKサンクスはどうだろうか?

「K’s CAFE」は成功するか

サークルKサンクスの場合、K's CAFEのの展開は一筋縄ではいかないのではないか。四国で女性に人気があったのは、競合となるカフェの存在が少なかったこともあるだろう。しかし東京では状況は違う。競合はコンビニだけでなく、マックカフェ、ドトール、カフェクロワッサン、スタバ、タリーズ、最近ではカラオケボックスで食事、仕事、休憩をする人もいる。味も、価格も、店の特徴も、並みいる競合に勝つのは至難の業といえそうだ。

では、カフェとしてヒットさせるのではなく、サークルKサンクスの来店客数や客単価を上げることに寄与するだろうか。

「コンビニで購入した商品はカフェで食べることができない」というコンセプトから、それも難しそうだ。コンビニ商品をカフェに持ち込めない以上、コンビニの客単価はそれほど上がらない。来店客数に関しても、コンビニとカフェは物理的に隣にあるものの、連携は取れていないので大幅な増加は見込めない。

K's CAFEが成功するための最大のポイントは「立地」となる。東京中心部では苦戦を強いられるだろう。だからといって、地方の国道などのロードサイドで展開しているコンビニに併設してもニーズは少ない。狙いは、その中間だ。ビジネスマンがいるけれども、カフェが少ない地域、つまり地方の都市部、主要駅周辺での出店だ。

本業であるコンビニにカフェを併設するのであれば、シナジーを狙うのが重要だ。しかし、サークルKサンクスはあえてそれをしていない。ここからは推測だが、セブンイレブンやローソンの好調ぶりが目立つ中、サークルKサンクスとしては差別化を図り、業績を向上させるためにカフェ展開を始めたように思える。現在は試行錯誤の状況だろう。サークルKサンクスがどのようなビジネスをしていくのか注目していきたい。


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