北村明子、ユディ・アフマッド・ダジュディン
世界初演作『To Belong / Suwung』
2010年からリサーチをスタートし、世界初演を迎える『To Belong / Suwung』。日本とインドネシアのアーティストと共に、ダンス、演劇、音楽、映像を交えてつくる国際共同制作プロジェクトです。2012年3月のワーク・イン・プログレスを経て、同年4月にジャカルタで『To Belong』を、9月にシアタートラムとArt Theater dB Kobeで『To Belong -dialogue-』を上演。今回発表する『To Belong / Suwung』はシリーズ4本目の作品になります。会見の模様
北村>2010年にソロ活動をはじめ、同時期からアジアの伝統や現状のリサーチを続けてきました。なかでもインドネシアのダンサーはものすごく強烈な個性と強靱な身体を持っていて、憧れを抱きながらもその強烈な部分に異を唱えるという相反する気持ちを抱き、彼らと作品をつくりたいと考えたのがはじまりでした。
実際にインドネシアでアーティストの方々と話をしたり、身体の動きをシェアしたりと、行ったり来たりする中でひとつ宿題をつくっては、フェイスブックやスカイプを使いながらリハーサルを重ねています。短期でつくれるものではなく、今回ようやく4作目の発表を迎えます。
新作には『To Belong / Suwung』というタイトルをつけました。Suwungというのは、ここにいない、空(くう)というような意味。不在の者を感じる、そこにいないけど何かあると感じるというジャワの精神性があり、また日本人も空(くう)という言葉につなげて同じく感じることができる。ひとつは故人との対話、もうひとつは古代、かつての伝統や哲学との対話をテーマにしながらつくっていこうと考えています。
『To Belong / Suwung』北村明子、ユディ・アフマッド・ダジュディン photo: Kuang Jingkai