ブランディングにおいても重要になってきた宅配業者の存在

いままで述べて来たように通販市場はますます進展していく。それとともに宅配市場もますます成長していく。宅配業のシステムの成長はさまざまな企業に見られる。今後、宅配業において進化が求められるのはホスピタリティ、つまりおもてなしであることは間違いない。

インターネットの出現をきっかけに、世の中の情報量は飛躍的に増加した。すでに平成18年度の総務省「情報流通センサス白書」において、選択情報可能量つまり人が接する情報量が10年前と比較して約530倍になったと発表されている。情報量が増えても人間が処理出来る情報量には限界がある。結果として情報が溢れれば溢れるほど人は情報を無視する傾向が出てきたのだ。広告の効果が薄れ始めた原因の一つもこのあたりにある。

このような状況変化の中で、人が企業に対してブランドイメージを持つのは、広告によるイメージではなく、より具体的な「接点」においてだ。それは例えば、製品やサービスの体験であったり、信頼出来る友人・知人からの口コミ、店頭で対応してくれた社員のイメージなどだ。それだけではない。通販市場が成長とともに成長しているコールセンター市場。企業からアウトソーシングされたコールセンタースタッフの対応、お客さま相談センターの対応もブランドイメージにとってますます重要になって来ている。

宅配業者の対応も、企業のブランドイメージを左右するようになってきているのだ。

企業は通販だけでなく店頭において、製品パッケージデザインについてはディテールまで気にする。それは製品パッケージが、企業や製品のブランドイメージに大きく関わるからだ。店頭でも情報や製品が溢れかえっている。消費者がスムースに正しく目当ての商品に辿り着くという点においても、製品パッケージデザインは重要だ。

また、そもそも素晴らしい製品でもパッケージが貧相であればお客さんのワクワク感は激減してしまう。その意味で企業は製品だけでなくパッケージには気を遣っている。しかし通販などでの配送となると、急にブランド意識が薄れてしまうのが現状だ。

消費行動における「人・ホスピタリティ」の重要性

今後企業が意識した方が良いのは宅配業者だ。注文した商品が配送され、最終的にお客さんの手元に届けられるのは宅配業者によることが多い。企業からすれば、企業と宅配業者は異なるのだが、お客さんからすれば「購買行動」の一環である。宅配業者の対応ひとつによって、一連の買物プロセスを台無しにしてしまうこともあるし、素晴らしいものにすることも出来るのだ。

オンラインが進めば進むほど、オフラインの重要性も高まる。特に日常生活において人間性が出る宅配・店頭の重要性はますます増している。宅配事業者は広告によるイメージ戦略に満足せず、ターゲットや企業に応じたサービス開発も含め「お届けの瞬間」までをより気にするべき時代だ。

また企業においては、配送は宅配業者と割り切るのではなく、消費者は「お届けの瞬間」までがその企業のブランド体験だという認識をより強く持ち、マーケティング戦略に組み込むべき時代になってきているのだ。

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