ストレス/家庭・育児・嫁姑・義理づきあいのストレス

「きょうだい」の葛藤が「私」の性格を決める訳(2ページ目)

毎日何気なく一緒に過ごしている「きょうだい」は、その関係の中でたくさんの葛藤を抱えています。その葛藤がキャラクター形成に影響をもたらした結果、大人になった今でも息苦しくなっている人も。そんな「きょうだいらしさ」の呪縛から自由になるヒントをお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

大人になっても続くきょうだいのキャラクター

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気がつけば、大人になってもきょうだいのキャラクターを引きずっているもの

このような「兄姉らしさ」「弟妹らしさ」のキャラクターは、大人になっても引きずっていることが少なくありません。

気がつけばいつもリーダーシップをとり、友人間でも職場でも相変わらず優等生をやっていたりするのが、兄や姉。わがままを言わずそつなくこなすため、周りからは一目置かれますが、手を抜くことや適当にダラけることができず、いつも気持ちに余裕を持てなかったりします。反対に、面倒なことは兄姉タイプの人にお願いし、手を抜けるポジションを確保することに長けている弟や妹は、「お得」な立ち位置をやめられない一方で、リーダーシップ経験、チャレンジ経験に乏しい自分に劣等感を感じたりしています。

3つ子の魂100まで」と言われるように、幼い頃に家族との関係性の中で決めた生き方への姿勢は、大人になっても続いていくもの。とはいえ、そんな自分が苦しいなら、いつでも変えていくことはできます。
 

未解決のまま心に潜む子どもの頃からの感情に気づく

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心の中に封じ込めていた子どもの頃からの感情を解放しよう

「兄姉らしさ」を続けていると、「泣きごとを言いたい気持ち」「甘えたい気持ち」を認めてあげることができず、いつもどこか息苦しいのではないでしょうか? そんな自分に対して、「いつも頑張らなくてもいいんだよ」「泣きごとを言ったり、甘えたいときもあるよね。そんな自分を出してもいいんじゃない?」と自分にアロワー(認める、許す)なメッセージを送ってみましょう。

「弟妹らしさ」を続けていると、自分の中の「自らの力で何かを成し遂げたい気持ち」「あきらめずにやり抜きたい気持ち」がいつも欲求不満になっているのではないでしょうか? そんな自分に対しては、「一歩踏み出しさないと、何も始まらないよ」「思い切ってやってごらん、何かが変わるから」と自分に語りかけ、自分自身の背中を押してあげましょう。

このように、きょうだい間の葛藤の中で生きてきた人には、いつまでも未解決のままになっている子どもの頃からの感情があるはずです。まずは、兄姉として、弟妹としてふさわしい振る舞いをし続けているうちに、心の中に置き去りにしてきた感情に気づくこと。その感情に焦点を当て、自分自身を慰め、勇気づけ、行動で満たしてあげましょう。それが、「兄姉らしさ」「弟妹らしさ」の囚われから自由になるための第一歩になります。

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