アンケートから見えてきたリスクに対する認識度の低さ
今回、アンケートを実施したところ400名を超える保護者の声が集まりました。気になる質問項目だけをざっと目を通したところ、やはりというか想像通りの結果となりそうな気配です。(アンケートは後日集計した後、「奨学金なるほど!相談所」で公開する予定です)
特に注目したのが2つの質問項目。
1)奨学金のリスクとその対策についてご存じでしたか?
「知っていた」
「何となく知っていた」
「あまり知らなかった」
「全く知らなかった」
2)セミナーを聴いた後の率直なお気持ちをお聞かせください?
「奨学金を利用させようと思う」
「利用させようかどうか迷っている」
「利用させたくない」
1の質問については、6割以上の人が「あまり知らなかった」「全く知らなかった」と答えていたように思います。
前回の記事でも触れましたが、日本学生支援機構の調査では奨学金利用者の56%以上が「猶予制度について知らなかった」という事実が明らかになっています。
今回のアンケートを見ると、奨学金を利用する学生本人だけでなく、保護者自身もリスクに対する知識を持っていないという結果になりそうです。
次に2の質問ですが、これには8割以上の方が「奨学金を利用させようと思う」と答えていたように思います。
今回のセミナーでは、滞納した場合のリスクをかなり強調して伝えましたが、それでも大多数の家庭は「奨学金を利用する」つもりでいるのです。
それでも奨学金に頼らざるを得ない現実
借金をしたくはないし、させたくもない・・・でも、奨学金に頼らざるを得ない現実・・・。
収入が減少する中で高額な学費を賄うために、仕方なく奨学金を借りているというのが保護者の本音でしょう。
高校の先生や大学の職員の方々は、学生の卒業後、彼らをフォローし続けることは困難です。一方、保護者は子どもと一生関わっていきます。
冒頭でも述べましたが、だからこそ、保護者には奨学金のメリットだけでなく、リスクとその対策を理解して欲しいと思います。
さらに、どこの大学を目指すのかよりも“何のために進学するのか”という目的意識を親子で共有することで、学ぶ姿勢がより真剣なものとなるでしょうし、奨学金がお子さんの将来の価値を高めるための投資として活かされることにつながると信じています。