音読の前にまず「発音」
音読に関する本は、数多くでていますし、それによって会話力を強化している人も多くいます。けれど、一つだけ重要な要素を見落としているケースも散見されます。それが、「発音力」です。実は、日本語と英語とでは、音の発声、発音の仕方が全く異なる部分が多く、いわゆる、日本語の音声に基づく「カタカナ英語」や、母音中心の発音では、せっかく音読して会話表現を暗記したとしても、実際のネイティブとの会話場面では、通じないこともあります。また、自分が発音できる音しか、言葉の音として認識できない、という脳の仕組みからいっても、「音読」の際、正確な英語の音、「発音」で行うことが重要なのです。
ですから、音読で数多くの英語会話表現を暗記する前に、まず「発音」をしっかりと整えることをお勧めします。正確な発音で英文を読めるようになったら、ひたすら、音読をして、会話表現を暗記していくと、実際の場面で使えるものになるのです。
頭で覚えない!口で覚える
さらに、音読の仕方で大切なコツをお教えしましょう。それは、頭で覚えようとしない、ということです。頭で覚えなければどこで覚えるのか?と思われるかもしれませんが、それは、「口」なのです。何度も音読してそのうち考えなくても、「口」が勝手にその英文を音にするようになるまで、繰り返し音読をするのです。 そうすることで、「こう言いたい」と思った瞬間に「口」からその英文が出てくるようになります。口が勝手に英文を言うようになれば、本当の意味で暗記したことになります。音読+イメージが大切
次に、音読をする際に重要なもう一つの要素、「イメージ力」についてお話しします。正確な発音を身に付けた後は、ひたすら、音読をして口で英文を覚えていくわけですが、この音読の際に、単に文字や文章をみて、「読んで」しまうケースが良くあります。でもこれは有効な音読方法であるとは言えません。ここで大切なのは、その表現が使われている実際の場面を頭の中でイメージ、想像しながら、音読するということなのです。
イメージには感情が必要
例えば、"Hi! Nice to meet you!"というビジネスで初めて挨拶をする表現を暗記する際に、頭の中で、初めて訪問する外資系の会社のオフィスを思い浮かべます。そして部屋に入ったとたんに、足が沈むような絨毯を踏みしめながら、"Hi”とにこやかに立ちあがって近づいてくる背の高い外国の担当者の姿を思い浮かべるのです。どうでしょうか?ドキドキしますよね!このドキドキ感を、頭の中のシーンと合わせて味わいながら、先ほどの"Hi! Nice to meet you!"というセリフを言うのです。この実際使われるイメージとドキドキ感、この両方を感じ、味わいながら、文字を離れて、口慣らしで口に覚えさせた英文を何度も「音読」するのです。そうすることで、初めて、暗記した英文が使えるものとして、身に着き、実際の場面でも使えるものになるのです。