2011年の初演時は東の王役を演じてましたね。
奥村>僕は2011年の9月から新国立劇場バレエ団に来たんですが、リハーサルはすでに6月からはじまっていたので、僕が入った時点でもうみんな振りが入ってて……。入団してすぐ出演した作品で、みんなに追いつかなければいけないし、しかも東の王役をいきなり踊らせてもらったりと、すごく責任を感じました。東の王もとても難しいパートで、苦戦したのを覚えています。あの時は初演だったので、少しずつ振付けながらリハーサルを進めていくという状態。それに東の王役だけならまだいいけれど、タツノオトシゴ役やコール・ド・バレエなどいろいろ踊っていたので、その振りもできたそばからどんどん覚えていかなければならない。
時間もだんだんなくなっていくし、“本当に開幕できるのかな?”なんてちょっと不安になりました(笑)。古典バレエだと要領もある程度わかってるけど、この作品はそういう面でもプレッシャーがありました。
『パゴダの王子』(2011) 東の王を踊る奥村さん(左から二番目) 撮影:瀬戸秀美