ストレス/恋愛・結婚生活・離婚問題のストレス

「婚活」を繰り返しても「婚活疲れ」に終わる理由(2ページ目)

男性との出会いを求めて「婚活」に励んでも、「婚活疲れ」に終わっていくばかり――この現実にため息をつく女性は多いもの。婚活がうまくいかないのは、「縁がなかった」ためでしょうか? もっと深い心理的要因が隠されているかもしれません。記事中の「2つの課題」をチェックしてみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

男性との間に「親密な関係」を築けますか?

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「親密」はベタベタすることではなく、違いを尊重して愛しあえること

もう1つの課題は、「男性との間に『親密な関係』を築けるか」どうかです。発達心理学者のエリクソンは、20代から30代の前成人期は、「親密」という発達課題に取り組む時期だと説きました。「親密」とは、ただ単に仲良く付き合うことではありません。他者、特に異性との間に信頼しあい、お互いを理解しあえるパートナーシップを築くことです。

「親密」の前の発達課題は、青年期の「アイデンティティの確立」(10代後半から20歳くらいまで)なのですが、恋愛関係で親密な関係を築くには、このアイデンティティがしっかりできていることが必要になります。アイデンティティが確立していれば、「自分らしさは人それぞれに異なる」ことを認めることができます。その上で異性と親密な関係を築くと、お互いの価値観の相違や異質性を尊重しあいながら、愛しあうことができるのです。

この気づきがないままに異性と付き合っていても、「私と同じように感じてくれない」「価値観や考え方が違う」と不満がくすぶり、不安や孤独を感じやすくなるだけです。「お互いに違うから付き合っていて楽しいし、それぞれの世界を大切にできる」と感じられること。この感覚が理解できないと、男性と出会うたびに孤独な気持ちに陥ってしまいます。

相手が「私と同じではない」ことに寂しさを感じ、少しでも合わないと失望してしまう。意見の食い違いを恐れるあまり、会話が深まらない。自分の自我をぶつけるだけで、相手の自我には関心を持たない――このような傾向がある場合、いくら異性との出会いを重ねても親密にならないため、結婚に発展しにくくなります。そして、ここにつまずきがある人は、過去の恋愛でも、同じような行動傾向を重ねている場合が少なくありません。

「婚活疲れ」に陥っている人は、上の2つの点をぜひ振り返ってみてください。「たかが婚活」と思うかもしれませんが、結婚を前提に異性と向き合う前には、自分自身とじっくり向き合う機会が必要になります。

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