塾の広告チラシの合格実績はあてにならない?

合格実績の数字は合格者数が多くても受験者数がわからなければ、指導力の判断材料にはなりません。

合格実績の数字は合格者数が多くても受験者数がわからなければ、指導力の判断材料にはなりません。

学習塾のチラシやホームページに必ずと言っていいほど宣伝されている「合格実績」。難関校に多くの合格者を出しているのはその塾の指導力を示しているように思えるかもしれません。でもじつはそれが塾の狙い。塾によっては巧妙に合格実績の数字を演出しているのです。その演出のからくりを見抜くのは業界のプロでない限りなかなか難しいものです。したがって、塾を選ぶ際に合格実績を判断基準に入れない方が無難という結論になります。合格実績を塾選びの基準にしてはいけない7つの理由をお伝えします。

(1)合格者数が多くても受験者数がわからなければ意味がない

「○○中学35名合格」「○○高校50名合格」などと難関校への多くの合格者を出している塾は、きっと合格させる指導力が高いのだろうと思ってしまうかもしれません。でもその数字の裏には多くの不合格者がいます。合格実績の数字は合格者数が多くても受験者数がわからなければ、指導力の判断材料にはなりません。

(2)合格者数にどんな受験生が含まれているかわからない

合格者数は基本的に塾生の合格者であるはずです。でもなかには冬期講習などの講習会だけ参加した生徒やその塾が開催している公開模試を1回受験しただけの生徒も含めて合格実績者数を「水増し」する塾もあります。「合格実績には講習生や模試生を一切含んでいません」などと注釈をつけている良心的な塾もあります。

(3)複数教室の合計合格実績では1教室の実力を測れない

大手学習塾は複数の教室を展開しています。多いところは100を超える教室を展開しています。合格実績はその複数教室の生徒の合格者の合計数であることがほとんどです。入塾を考えている最寄りの教室の合格実績がかんばしくなかったしても、複数教室全体の数字に埋もれてしまいます。1教室単独の合格実績をその入塾を検討している教室に聞いてみるのがいいでしょう。

(4)今年度も昨年度と同じ講師陣であるとは限らない

華々しい合格実績に惹かれてその塾に入塾したとしても、その昨年度入試において受験生を指導した講師メンバーのほとんどが他の教室に異動してしまったというのは大手チェーン塾ではよくあることです。昨年度の講師のどれくらいが各科目の担当になるのかを聞いてみてください。

(5)単年の合格者数では評価ができない

入試には「隔年現象」というものがあります。同じ学校でも一年ごとに倍率が上下する現象です。前年に倍率が高かった学校は翌年、受験生から敬遠され倍率が下がるというものです。したがってその年にたまたま高い合格実績が出たとしても、数年間安定して合格者を出しているかがわからなければ単年の合格者数では指導力を評価することはできません。

(6)合格者数は延べ人数カウント

私立の学校は入試日が学校ごとに異なるので複数校受験することが可能です。したがってひとりの生徒が複数校の合格を得ることになります。合格実績は合格した数の延べ人数がカウントされるわけです。たとえば受験学年の塾生が30名で、難関校の合格者数の合計が30名近いと、塾生のほとんどが難関校に合格しているかのように思ってしまう人もいるかもしえませんが、それは錯覚です。平均してひとりが2~4校合格を得るので、実際は10人くらいが出した合格の合計というわけです。

(7)合格実績の高さと生徒の成績アップ度はイコールではない

難関校への合格実績が高いとそれだけ生徒の成績を伸ばしているように思えますが、じつはそうとは限りません。難関校の合格実績を出している塾にはその評判にひかれて学力が高い生徒が集まります。入塾の時点ですでにそれなりに高い学力があるので、塾に入ってから大きく成績を伸ばして合格したわけではないとも言えるわけです。重要なのはその教室に通うことで成績を大きく伸ばして合格へと結びついたという生徒が多い塾を選ぶということになりますが、それは合格実績からでは判断できないのです。

さて、いかがでしたでしょうか。学習塾の広告チラシの「合格実績」はその塾にとって都合のいい数字をクローズアップして伝えています。見た目の数字にだまされず、実際に授業を体験してみて自分の目で講師の指導力を判断することをおすすめします。
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