JaDaFo賞 森下真樹+束芋
通年の活動に加え、美術家・束芋とのコラボレーション作品『錆からでた実』が高い評価を得ての受賞となりました。『錆からでた実』 (C)塚田洋一
<森下真樹受賞コメント>
「名誉ある賞をいただきありがとうございます。第1回の受賞者が私の最も古い付き合いでありダンス仲間でもある遠田誠さんと白井剛さんで、その時の授賞式に私も立ち会いました。あれ以来、私はいつだろう、まだかまだかと待っていた念願の賞であり、また自分がひとりで活動をはじめて丸10年という節目の年にいただいた記念すべき賞になりました。
束芋さんとの出逢いは、彼女がトヨタ コレオグラフィーアワードの審査員をしていた時に紹介されたのが始まりでした。私の作品の中で自己紹介をするシーンがあり、「1975年11月30日生まれ」と言ったら、束芋さんから「私と同じ誕生日です!」という驚きの感想が届いて……。蓋を開けてみると、同じ誕生日、O型同士、三姉妹、出生地が九州と、共通点が沢山見つかった。この確立というのはどのくらいのものかと統計学の方に聞いてみたところ、数字にするのは難しいと言われてしまったんですが……(笑)。
束芋さんとの共通点はそれだけではなく、家族なしでは今の自分はないし、お互い家族にすごく支えられている。だから、束芋さんと会うといつも家族の話ばかりになるんです。そうしたことがきっけで、一緒に作品をつくってみたいと思いました。この出逢いを嬉しく思います」
『錆からでた実』 (C)塚田洋一
<束芋受賞コメント>
「コラボレーションでつくったものを生の舞台で発表するというのは、公演中も制作者の手を必要とし、不確かな自信しか得られず、毎日変化し続ける不安定さを有しています。でも生の舞台の魅力はまさにそういったところにあり、不確定要素がその場その場で決まって作品になっていく。森下さんと一緒につくっていき、初演を終えた後もどんどん変化していく、そんな作品をみるのは本当に刺激的でした。占星術的に同じ運勢を持っているはずの私たちがコラボレーションをしたらどんなものが生まれるのかという、冗談のような出発でした。しかし私たちの真剣な冗談に付き合ってくれ、さまざまな難題を解決してくださった関係者の方々に本当に感謝しています」
<プロフィール>
森下真樹(C)427FOTO
束芋 (C)Kazuto Kakurai.