ジェーン・モンハイト 「カム・ドリーム・ウィズ・ミー」より「スプリング・キャン・リアリィ・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト」

Come Dream With Me

Come Dream With Me

「スプリング・キャン・リアリィ・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト」は、トミー・ウルフ作曲、フラン・ランズマン作詞で1955年に書かれた曲です。

特にフランによる歌詞は、ノーベル文学賞を受賞したイギリスの詩人、T.S.エリオットの代表作「荒地」に触発されて書かれたものです。それは、有名な詩の出だし「四月は最も残酷な月」の部分です。

ここでのジェーン・モンハイトによる歌は、詩的な歌詞の意味を噛んで含めるように歌いこみます。そのジェーンの歌をさらにやさしく包み込むように絡むストリングスと、伴奏のケニー・バロンのピアノが清々しい印象です。

ジェーン・モンハイトにとって、このアルバム「カム・ドリーム・ウィズ・ミー」はデビュー二作目で二十四歳の時の作品。すでに、ジェーンの特徴の丁寧な歌い方と、艶っぽい声が十分に発揮された作品になっています。

その上、ジャズシンガーとは言え、現代っ子らしく、どことなくカントリーやロックなどポップスのテイストも入ってくるのがジェーンの特徴です。

その辺が好き嫌いが分かれるところではあります。しかしながら、その伸びやかな屈託のない歌唱からは、現代のジャズヴォーカルというジャンルが、様々な影響のもとに再構築されていっているということがわかります。

そして、何といっても美人シンガーのジェーンですので、ただじっくりとCDを手に取り、ジャケットの表裏を眺めながら聴くだけでも楽しい気分にひたれるはず。(特に男性は…)

想像力をフル稼働させて、ジェーンの歌の世界を楽しむことをオススメいたします。

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テナーサックス奏者 スパイク・ロビンソン「スプリング・キャン・リアリィ・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト」より「エープリル・シャワーズ」

Spring Can Really Hang You Up The Most

Spring Can Really Hang You Up The Most

「スプリング・キャン・リアリィ・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト」といえば、この演奏がオススメです。アメリカ人ですがイギリスで活躍したテナーサックス奏者「スパイク・ロビンソン」です。有名なスタン・ゲッツズート・シムズにインスパイアされたスパイクの演奏はスムースでウォームな大人の音楽です。

このバラード「スプリング・キャン・リアリィ・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト」は、そのスパイクの特徴が良く出た好演。スパイクのテナーの高音部の音色がしっとりととても美しいのに気付かされます。まるで春のうららかな日差しのようにウォームでしかも輝いています。

このアルバムでは春にちなんでもう一曲、1921年の古いスタンダード「エイプリル・シャワー」も聴きもの。テンポの良いスインギーな演奏です。

スパイク・ロビンソンは、本国アメリカにいた時は、サックスが本業ではなく、航空会社にエンジニアとして勤務していたという変わり種。サックスのスタイルは保守派でオーソドックスなものですが、自身は飛行機のように大陸を超えて、イギリスで成功した行動派でもあります。

惜しくも2001年に七十一歳で亡くなっていますが、残された録音は、どれもはずれがなく、安心して聴くことができるテナーサックスの名手です。

今回の春のシーズンにピッタリなスプリング・ジャズはいかがでしたか。この季節はなんといっても桜が見ごろ。気分転換に見物に出かけてみてはいかがでしょう。それでは、VOL..2でまたお会いしましょう!

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