創業融資の審査では
未経験の業種で起業すると、創業融資の審査でも引っかかります。各創業融資制度の審査基準として、その業種での経験がだいたい3年~6年くらいあることが求められています。最低でも1年はないと厳しいといえるでしょう。もちろん、業種だけではなく、職種も関係します。不動産業で起業するとして、今まで不動産会社で経理しか経験していない場合は、審査上の経験としてほとんどカウントされないですよね。同様の話で、アルバイト経験よりは管理職経験があるほうが評価されます。営業成績がよければさらに評価UPです。
あまりにも転職歴が多いのは要注意です。あきらめやすい人物ではないか、何かトラブルを起こす人物ではないかなど金融機関から警戒されるのです。転職をしてきた前向きな理由を説明できるようにしておくべきです。
また、過去の年収も影響します。金融機関から見れば、おおざっぱに見て、年収300万円の人と年収1000万円の人では、稼げる能力=貸せる金額が違うという判断になります。つまり、会社員時代の年収から紐解いて値踏みされ、それと連動して貸せる額も違ってくるのです。
起業までにどう対策するか
起業してうまく行かなかったら、結果は全て自分に返ってきます。言い訳は許されません。周りに迷惑を掛ける可能性もあり、できればそうなって欲しくありません。全く未経験での起業は、避けた方が無難といえます。その前に、可能であれば、社内で関連する部署に異動させてもらう方法もあるでしょう。店長や子会社の社長などを経験するチャンスがあれば、苦労を厭わず飛びついて経験しておくべきこともできるはずです。そのような大役を任されるようにがんばるべきです。
転職してひととおり経験してから起業するというのも、ひとつの選択肢です。例えば、スープカレーに魅せられ、東京から引っ越して札幌の有名店で1年間修業してから起業した人もいます。どうしてもカフェがやりたくて、1年間限定で店長経験をさせてもらった人もいます。
経験が足りないと感じたら、起業したい気持ちをグッとこらえて、一度立ち止まって考えてみてください。本気で「起業したい!」と思っているなら、やや廻り道をしても、ツライ経験をしても耐えられるはず。会社員時代を戦略的に過ごしましょう。